峡にあるもの | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

北海道といえば北の国から

北の国からといえば富良野

北海道の中央部にある富良野に僕は95年と96年の夏に旅をした

麓郷では北の国からのセットが実在し

ラベンダーや向日葵の咲く丘があり

駅では北の国からのテーマ曲が流れていた

 

ここでの滞在は中富良野森林公園キャンプ場

当時は無料だったため、多くの旅人が滞在していた

ライダー、チャリダー、ファミリー、キャンパー、季節労働者などなど

ここで僕たちは釣ってきた魚をチャンチャン焼にしたり

短期労働者の方が貰ってきた野菜を丸かじりしたり

仲良くなったファミリーに余った食材を貰ったり

地元の方に300円でメロンを分けてもらったり

毎日が豪華な食事だった

どれも新鮮なわけで

こんなおいしい野菜は初めて食べた

 

高級料理店では味わえない味がここにはあった

 

このキャンプ場でも夜な夜な旅人の集いがあった

とは言っても、お酒を飲んだり唄ったり語ったりぐらいだけど

ここでは、他のキャンプ場で会った人との再会や

始めましてと出会った人もいる

そんな人たちと夢や社会や楽しみや人生や

いろんなことを話する

もう二度と会わない人が多いと思う

だけど、みんなぶっちゃけるのだ

ここで出会った人はみんな人間という仲間なのだから…

 

ひとり旅では、僕はひとりじゃないんだと思う時が多々ある

 

富良野は大雪山国立公園の麓にある街

大雪山にはいくつかの温泉があり峡がある

僕が入湯したのは、秘湯 ヌプントムラウシ温泉と

五郎としゅうが入った吹上温泉

どれも無料露天風呂 至福の時だった

 

さて、今回は『峡』について

全国には数え切れないほどの『峡』があります

なにをもって峡と呼ぶのか

辞書を調べたらすぐ分かるが

今回はその先に『あるもの』を綴ってみました

それでは『峡にあるもの』をどうぞ

追伸 『あるもの』シリーズはまだ続きます。お楽しみに

『島国からの贈物』

『峡にあるもの』 1995年8月14日 北海道東川町 天人峡にて

迫りくる山容を

良く切れる包丁で見事にVの字に切った処に

それはある

 

真っ白いキャンパスに

両端へ大胆に緑色を塗りつぶし

筆をよく整えつつ透明のような水色で

スーと一本描いている

 

その容姿には安らぎを感じる

 

しかし 自然の脅威と戦っているその容姿には

人類など決して近寄れない程の形相が映り

恐怖さえも感じる

 

この極端な二つの顔を持つ峡には

雄大という呼び名がぴったりであろう

 

ここを訪れた生き物たちは

この雄大に信頼という安らぎを求める

 

人は皆 

ちっぽけな苦と楽の混乱に耐え切れなくなった時

自然と峡へ向かっているのである

 

 

安・恐・雄・頼

此処ニ有リ

天人峡 羽衣の滝1


 

天人峡 羽衣の滝2


 

五郎石の家