あもんのトレイン | あもん ザ・ワールド

あもん ザ・ワールド

君へと届け 元気玉

人生を振り返るにはまだまだ若輩者ではあるが
電車に乗ると不思議と思い出の旅に出かけてしまう
目的地に向かって明日への希望があふれているはずが
昨日までの思い出を美化してしまう
とても世間様に自慢できるような生き方ではなかったが
自分が生き抜いた昨日までは間違っていないと思う
あもんのそばには家族が居たから‥
もう、あえない家族であっても
昨日までを否定しない限り
あもんのそばには愛があふれているのだ









『トレイン』

僕がバラスを集めて敷き詰め
枕木は妻が丁寧に埋め込んだ

レールは二人で仲良く並べた
結び目は決して解けない様に




とても直線ではない生活だったけど
なんとか息子が走れる道は作ったよ

路線はあまり多く作れなかったけど
どれもが楽しい未来だと二人で納得

小さな駅をたくさん作ってみたから
思い悩む時はしっかり悩めばいいよ





さぁ、そろそろ息子が走り始める時だ



たまに赤信号で叱ってやらなきゃ
ATSで落ち着かせることも大事だ

トンネル、陸橋、スイッチバック
なんでもできる秀才に成らなくていい

踏切ですれ違う人々や停車駅で出会う人々を
幸福駅に運ぶ男になっておくれよ





父さんの作った道は坂道ばかりでキツかったよ
母さんの作った道はカーブが多く優しかったよ

父さんがくれる切符の行き先は書いて無くて
どんな行き先でも母さんはうなずいてくれる

時に特急列車で飛ばしすぎて心配かけてごめん
貨物列車でプレゼント渡してビックリさせたね





始発列車で動き出すときは父さんを思い浮かべ
疲れて終点につく前には母さんを思い出してた

ここから見える景色は父さんも見たのかな?
駅弁を母さんの味って言ってもいいのかな?

運転手はもうふたりになったから安心してよ
一生涯助け合えるパートナーを見つけたから





最近、小さな女の子の車掌が生まれたんだ



さぁ、父さん母さん
そろそろ居眠りから目を覚まして

ようやく、幸福駅に着くよ
一緒にたどり着こう




あもん詩集~アイことば~より