あもんと千尋の神隠し
2009年10月11日
先日、千尋から久しぶりにメールが来たんだ
『お久しぶりです♪この前ね、面白い体験したんだよ！森のトンネルくぐったら、繁華街に出ちゃって、お父さんとお母さんがご飯食べたらいきなりブタになっちゃって、私、ひとりぼっちになっちゃった。そこに油屋っていうお風呂屋さんがあって、湯婆婆に頼んで働かせてもらって、ハクっていう男子と出逢ったんだ♪それから、なんだかんだあって、やっと帰ってこれたの～ｗｗｗ』
チンプンカンプンである
なんだかんだってなんだ？と軽く突っ込み
あもんはメールを返信した
『うぉ～なんだか分かんないけど、面白そうな処だな～その油屋ってどこにあるの？今度、行ってみるよ！』
『えぇ～あもん君行くの～？あそこに行ったら帰れなくなっちゃうかもよ～あっでも、ハクに会ったら千尋がまた会いたいって言っていたと伝えてね～ｗｗｗ』
あもんは油屋に行った
千尋の説明とちょっと違うが
多分、油屋である
その証拠に大盛況である
多くの神々がここに集まっているのである
そこで、あもんは不思議に思った‥
何故、人間がいないのだろう？
油屋では
丁重なあいさつで出迎えてくれた
入ってみると
ちょうどカオナシさんが出たところだった
あもんは、とりあえず、湯船に浸かってみた
貸し切りである
ギリギリ見えていないから大丈夫である
心身ともに潤いを与えた後に
あもんはぶらり人間探しの散歩にでかけた
人間が集いそうな処へ行ってみた
ここにも人間はいなかった
人間と相撲が取りたくてシコを踏んでみたが
来たのは人間ではなかった
とても勝てそうになかったので
あもんは退却した
『お前はハクか？』
千尋によると、もっとかっこいいはずだぞ
人間の住んでいそうな住み家に行ってみた
しかしここにも人間はいなかった
中は心地よい室温と幻想的な光があったが
何故だか寂しい気持ちになった
人間に会いたい…
人間は確かにここで生きている
手のひらを太陽にかざして生きているんだ
あもんはハーモニカを吹いた
『手のひらを太陽に』
日常生活の中で
人間は群れをなして生きている
一日何百回もの人間の顔を見て
君も僕も人間として生きているんだと安心をする
しかし、時折
裏切りや憎しみにより人間嫌いになってしまったり
都会ですれ違う無表情な人間に吐き気がしてしまったり
トラウマから生じる人間の怖さに耐えられなくなったり
バーチャルに真実を求め人間語が話せなくなってしまったり
生きていれば人間を放棄してしまいたい気持ちになる時もある
だけど
あもんは間違い無く人間である
決して、カオナシではない
人間として生き抜く人間である
決して、カオナシではない
人間を謳歌する人間である
決して、カオナシではない
あなたとおんなじ人間である
決して、カオナシではない
あもんは詩を詠んだ
あもん詩集～ティーンに捧げる宝物～より
『ボクは人間だ』
ボクは人間だ
つねられれば痛いし 赤い血だってでる
箱の中で殴られ殺される ゲームキャラじゃないんだ
ボクは人間だ
おなかも鳴るし おならだってする
ショーウインドウの中の 綺麗で見惚れるアクセサリーじゃないんだ
ボクは人間だ
ドキドキもすれば モジモジもする
ウイルスバスターに退治される 不特定多数じゃないんだ
ボクは人間だ
腹も抱えれば 涙の味もしょっぱいんだ
起立 礼 着席を繰り返す 電池の要らないロボットじゃないんだ
だから 人間を見ておくれ
触っておくれ
感じておくれ
そして 人間を暖めておくれ
助けておくれ
いっしょにいておくれ
君だって人間だ
人間には人間が必要なんだ
そういえば
妖怪人間ベムは
立派な人間として生きているのだろうか？
そう思ったあもんは
願い石に願いを託した
『みんな、人間でありますように』
あもんは人間が待っている処へ帰った
家に帰ると千尋からメールがきた
『あもん君ごめん！この前教えた油屋の住所。間違ってたぁぁぁぁ♪』
千尋はおっちょこちょいである
出演
あもん
千尋（友情出演）
朗読
あもん
演奏
あもん
演出
あもん
撮影
あもん
脚本
あもん
編集
あもん
監督
あもん
制作
あもんがいっぱい制作委員会
スタジオあもん作品
次回予告
あもんは過去に罪を犯した人間である
あもんは罪の多き人間である
あもんは
“惑星あもん”アースアイ・ポイント３に立ち尽くした
『あもん戦記』
ハイタカよ、
あもんはどうしたら強くなれるのだ？