海のささやき | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

東洋のガラパゴスと呼ばれる奄美大島

奄美大島は昭和28年に本土復帰した島である

場所は鹿児島県南南西約380kmに位置する

全国の離島では沖縄本島、佐渡島に次いで3番目に大きな島である

島の位置的に琉球文化が流れ着き、日本文化と融合し

島独自の文化に成長している

近年有名になった奄美の島唄は心地よい

 

奄美大島空港に降り立った僕は

予約していたレンタルバイクに乗り込む

広い島では原付バイクが有効的かつ経済的交通手段だ

大浜海浜公園のC場をベースに僕の奄美ツーリングが始まった

 

焼酎マニアである僕はまず初めに酒屋に走った

奄美大島といえば黒糖焼酎である

本土復帰時、日常的に愛飲されていたことを評価され

全国で奄美諸島群だけ黒糖焼酎製造することを認められた

当時の酒税法では黒糖は焼酎の原料として認められていなかったみたいだ

分類的にスピリッツに属する黒糖焼酎は

ほのかに甘くなめらかに体に沁みていく

この咽ごしがたまらなくおいしい

洋の味と和の味の融合だと僕は感じている

「里の曙」の一升瓶を購入し、今夜の宴に備えることとする

 

奄美の海は南国である

瀬戸内育ちの僕にとっては見とれるほどのマリンブルーだ

そのなかで楽しい海岸があった

ホノホシ海岸は浜一面に玉石が転がる海岸だ

黒潮の荒波によって削られた石の角は

石工の匠の技を卓越する「まる」を形成している

強風時には波の引き際に互いに擦れ合う音が響く

角が取れた石がゴロゴロ転がっているこの浜で

「どうして人は海で佇んでいたいのでしょうか」という問題に挑んだ

僕は「やさしいから」という答えを解答用紙に書いた

 

ベースとなった大浜海浜公園のC場の目の前も海である

水平線を広く望められるこのC場で「里の曙」を飲みつつ

海ばかり見ていた

仲良くなったC場の管理人のおじいさんと会話したり

潮が引いて魚を取っている島人に話しかけたり

一人旅なのに海の傍ならひとりぼっちでは無かった

夕日とおじいさんにお別れをし

闇になった海の傍で一人「里の曙」を飲む

聞こえてくるのは波の音だけだった

ほろ酔い気分の僕は

「あっ 今でもひとりぼっちでは無いんだ」と呟いた

☆ 

『島国からの贈物』

『海のささやき』

 

200045日 鹿児島県奄美大島にて

 

ここで

目を閉じて

海のささやきを聞いてみてください

 

もっと 行きなさい

そろそろ 帰ってきなさい

きっと 大丈夫だよ

それは だめだよ

ごはん できたよ

もう 眠りなさい

 

ここで

僕は

母のささやきが聞こえました

 

 

 

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僕には無限にいます

そんな大先輩に質問をしてみました

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