ふたつの約束 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

島国の宝物で世界に誇れるものの中に庭園がある

ここ、兼六園は江戸時代の代表的な林泉回遊式庭園である

1676年から始まりいくつかの御殿が加わり今の大庭園ができたものである

300年以上前からある庭園

この庭園を守り続け伝え続けた力はいったい何なのだろう

そんなアンテナを上げながら僕はこの庭園を歩いた

 

人が手を加えることによって美しさを保つ庭園

決して自然のままではこの状態は維持できない

自然の力は偉大だけれども、人間の力もあなどれないものである

もともと藩主の娯楽のためにできたようなもの

一般の人には公開できるようなものではなかった

でもそこに携わった大工や庭師はいるはずだ

彼らは世界に類を見ない日本特有の美のパイオニアなのではと思った

もちろんそこには宗教的観点があったかもしれないが

各土地の風土にあった庭の見せ方は庭師の力なのである

彼らは追求した日本の美を弟子たちに伝授し

その弟子たちが次なる美を追求する

 

この美の継承こそが島国の宝物ではないのだろうか

僕のアンテナが反応した瞬間だった

 

今、建設大国日本が直面している問題は

「継承する日本人がいない」ということだ

建設現場ではアジアの若者が研修と称して技を継承している昨今

機械に継承するという方向性へも向かっている

若者の数が少ないというハード的な理由もあるが

日本の美意識に対する欠如があるのではないかと思う

島国の宝物を守ること

それが島国からの贈り物のお返しなのではないのだろうか

 

島国からの贈り物を届けることしかできない僕は

ひとつの方程式を解いたんだ

 

『島国からの贈物』

『ふたつの約束』   

2006日 810石川県金沢市兼六園にて

宏大(こうだい)・幽水(ゆうすい)・人力(じんりょく)

蒼古(そうこ)・水泉(すいせん)・眺望(ちょうぼう)

この六勝を兼備する兼六園にて

六勝の意味をひとつずつかみ締めようと歩いていたら

ふたつの約束が守られていると感じた

この宝が宝であり続けていられるのは

 

育むことを やりとげて

保つことを 伝え続けているから

 

このふたつの約束を歯車のようにかみ合わせ

何百年も時を刻み続けている

この約束を何世代も伝え続けた

 

だから日本人はすごい

だから日本は宝箱

そして僕は日本人

そして君も日本人

まだまだできるはず