龍宮 まーらん舟 黒糖焼酎 33度 2006年物 | 目指せ酒仙! 将来の店に置く旨い酒を求めて! 酒日記

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旨いもの大好き! そして、旨い酒大好き! 自宅で呑むのもいいけれど、知らない酒に出会う為に飲み歩いている今日この頃! お店で呑んだ、これは!という酒を、ジャンル問わずに公開していきまっせぇ。

こんばんは、酔っ払い管理人です。


前回、燗酒をアップしてから、またさらに冷え込みましたね。
これからだんだんと、秋から冬へとうつっていくのでしょう。
なんか、年々、季節の移り変わりが早いと感じてきました。
時間の経過を早く感じるのは、仕事が充実しているからでしょうか?
それとも・・・歳?
いやいや、まだまだ働き盛りの年代です、がんばらなくちゃ。


今日も、佐賀の例のお店からお送りします。
そのお店からは日本酒の紹介しかしておりませんでしたが、実は日本酒よりも焼酎のほうが取り揃えが多く、また美味しい逸品もたくさんあります。
芋はもちろん、米、麦、はもちろん、黒糖、泡盛、から菱、山芋などまで数えた事はありませんが、50本以上はあるのではないでしょうか。


そして、大将の薀蓄つき!
これは、嫌いな人は嫌いなのでしょうが、私は大好きです。
お酒に関する知識なら、ウェルカムでございます。
まぁ、大将も人見て接客しているから、大丈夫でしょう。
そんなこんなで、注文した酒はこいつ!


龍宮 まーらん舟 黒糖焼酎 33度 2006年物
まーらん舟1
黒糖焼酎の蔵元の中で、最も規模の小さい蔵元だそうです。
このまーらん舟 は、毎年ボトルの形がすこしずつ変わっていき、その年のものはその年だけしかないとのこと。
今回は、2006年ものを頂きました。

冷凍してあったわけではないのに、少しトロミのある液体で、黒糖のあま~い香りが鼻を刺激します。


一口呑んでみた。
甘い、フワッとした口当たりの第一印象から、突如襲うフルボディのコク。
喉を通る時に、さすが33度、熱くたぎった液体が喉奥を焼きながら通過していきます。
その後の、戻りもすごい!
深いコクのパンチが放たれたようで、まっこと男の酒と言えるでしょう。
(最近は、女性のほうが酒が強いと言われていますが・・・)
一言でいうなら、旨い。
呑んだ後、「くぅ~~」といいたくなる、逸品です。


しかし、勿論限定品の為、お店に置いてある量も少量で、なかなか手に入りづらいとか。新酒として出される年1回出荷されるのみの希少品とのこと。


さて、その「まーらん舟 」を頂きながら、黒糖焼酎の薀蓄を語っていただきました。
黒糖焼酎とラム酒の違いはなんでしょうか。
どちらもさとうきびを原料に造られていますが、名称がちがうだけなのでしょうか。
答えは、黒糖焼酎は麹を使っていて、ラムは麹を使わず黒糖をそのまま発酵させるということです。

お酒の造り方を簡単に説明すると、糖に酵母を加え発酵させるとアルコールが生成される、これを酒といいます。
酵母は糖の発酵作用があるだけなので、デンプン質原料の米、麦、芋などの穀物から酒を作る場合は、アミラーゼという糖質分解酵素を用いて、デンプンをいったん糖質に変えて、そこから発酵作業を行う必要があります。
この糖質分解酵素を、焼酎作りでは「麹」を利用します。
黒麹とか白麹とか黄麹とかいろいろありますね。


しかし、黒糖は原料そのものがデンプン質ではなく糖そのものなので、麹を使う必要性はないのです。
実はその昔の黒糖焼酎は麹を使わず、ラムと同じ製法で造られていたということです。
では、なぜ麹を使っているのか。
それには酒税法が絡んできます。
酒税法でなされている焼酎の定義に
「砂糖、米こうじ及び水を原料として発酵させたアルコール含有物」というくだりがあります。(他にも細かい定義はいろいろあります、念のため)
その定義の背景としては、伝統的な本格焼酎である限り、麹の使用は必須条件という概念があります。
そして、麹をつかわずに発酵させ蒸留したお酒は焼酎と明記できなくなったのです。
となると、麹を使わずに作った黒糖の蒸留酒は「日本のラム酒」という定義になってしまい、いままで黒糖焼酎と銘うっていたのにラムになってしまったのでは、お客様にアピールできない・・・という背景があり、さとうきびに米麹を混ぜてから造っているとのことでした。


うーん、そんな背景があるとは知らなんだ。
では、無駄なことをしているのかというと、それは好みの分れるところでしょうか。
ラムにはない、麹の風味というか苦味というかが酒に現われ、これまたラムとは少し違った感覚を味わうことができるのです。
もちろん、ラムも好きですし、最近では日本のラムと称して、ベンチャー企業が黒糖を原料に麹を入れないラムを造っている酒蔵もあったりします。
ま、結局いろんな試行錯誤していきながら、旨い酒があれば酔っ払いは幸せです!