醸し人九平次 御点前大吟醸中取り 佐藤彰洋 16~17度 | 目指せ酒仙! 将来の店に置く旨い酒を求めて! 酒日記

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旨いもの大好き! そして、旨い酒大好き! 自宅で呑むのもいいけれど、知らない酒に出会う為に飲み歩いている今日この頃! お店で呑んだ、これは!という酒を、ジャンル問わずに公開していきまっせぇ。

疲れた~。
今週は月曜から金曜まで、出張しっぱなし。
しかもひとつのところに落ち着いているのではなく、東京~佐賀~札幌~東京と、各地域2泊づつでした。
南から北、しかも、九州から北海道への直行便に仕事の時間が間に合わなくて、羽田乗り継ぎで移動したという強行軍でした。


さすがに、金曜日はほとんどが移動時間で、早めに家に帰宅することができました。
よっし、更新するぞと意気込んでいたのですが、疲れていたらしくファンヒーターを前にしていつの間にやら眠りについていました。


こりゃいかん、と起き出して眠りにつく準備をしたのですが、ナイトキャップにこの間の土曜に鍋をしたときの残りを呑んで寝ました。
そうそう、その鍋のときの秘蔵の酒をアップしてませんでしたね。
そいつがこれです!


醸し人九平次 御点前大吟醸中取り 佐藤彰洋 16~17
佐藤彰洋2 佐藤彰洋3

あの萬乗醸造が誇る、醸し人九平次。
その九平次の年1回の超限定商品!
その萬乗醸造で杜氏を勤める、「佐藤彰洋」氏の名前をそのまま銘としてつけられた逸品です。
杜氏が自身の人となりを感じてもらいたいと、何本かを仕込む大吟醸の中から、杜氏自身が一番気に入った出来の良いものを選び、「造り手のお手前」を楽しんで欲しいという思いいれの正に究極の大吟醸です。

そして、ラベルの上に貼られたブルーの印「離見の見(りけんのけん)」
この言葉の解説は、裏のラベルに記されています。
曰く「固定観念にとらわれず、あぐらをかくことなく、常に一歩離れたところから全体を見る“離見”の心を失わない、そして己を知るという意味をもっています」とのこと。
この心意気、自分の普段の仕事でも持てるよう意識したいですね。
佐藤彰洋1

失敗したことがひとつ。
実はこのお酒、純米ではなかったんです。
そして、その失敗から学んだ事がひとつ。
いままで醸造アルコールを毛嫌いしてきていましたが、アルコール添加されていても旨い酒は旨いこと。
要するに、醸造アルコールを使うスタンスの問題であって、水増しかさ増しの為につかっていなければ、旨いものは作れるということ。
但し、大吟醸を銘打って醸造アルコールが入っているもので、醸造アルコールのえぐさが際立っているものにしか出会ったことがなかったので、よほどの想いをもって使わなければならないのだろうと思いました。


さて、では、その「佐藤彰洋」を頂きます。
チョコに注いだ液体は、呑み手が期待しているからか、透き通ったダイヤモンドのようです。(単に透明なだけ?でも、きらきら輝いているような気がしたんですよほんと)
香りはフルーツのメロンのような瑞々しさが、あくまでも控えめに立ち上っています。
一口呑んでみた。
米の甘味と華やかさが口いっぱいに広がり、旨味が押し寄せてきました。
後半で感じる久平次らしい酸味や微妙な渋味が、味の幅と複雑さを演出しているよう。
空気に少し触れたほうが落ち着きをみせるので、デキャンタがお勧めです。
私は氷を入れても薄くならない、ガラスの徳利を使いました。

引き際も潔く、最後にアルコール度数が高めだからか、ピリリと辛目の余韻がしました。この出来で、この値段(720mlで3,150円、1,800mlで6,300円)はお買い得!
もし見かけたら、即買いして間違いなしです。
「貴品」「優しさ」「懐かしさ」を目指した九平次さんと佐藤杜氏の“志”の酒ですよ。


ところで、醸し人九平次さんといえば、日経ビジネスAssocieの今月号(隔週やから正確には3/20号)に特集されていました。
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2007年 3/20号 [雑誌]
3/20アソシエ
酒造りに対する真剣さがひしひしと伝わる九平次さんですが、最初からそれがあったわけではないんですね。
造り酒屋の家を継ぎ、最初は美味しい酒を造ることのみを目標としていたそうです。
しかし、営業に行った先での苦労、そして海外レストランでのシェフとの交渉などから、段々と酒造りに対する情熱が醸成されていく話が、とても心に響きました。
お酒好きの人なら、今号のアソシエは必見ですよー。



さて、実は鍋の日は、この「佐藤彰洋」の他に、もうひとつの九平次を用意していました。
去年も呑んだかな?
醸し人九平次 吟醸うすにごり 生 17~18度

『五百万石』を55%まで磨き上げた吟醸酒のうすにごりです。
55%精白している吟醸造りタイプで、にごりでなりながら、口当たりの良く芳醇でジューシーな旨みがあり、フレッシュな香りを持ち合わせているお酒に仕上がっています。
ぐびぐびいっちゃいましたね。
酔っ払いの出来上がりでした。