「だからぁー!これ、どう思う?」
「えぇー、またそれかよぉー。もう勘弁してよー」
「だぁめ!智はいつも笑ってごまかすからな!今日は徹底的に聞くぞ!」
今度のコンサートの演出と振り付けについてって、潤がおーちゃんに絡みまくってアツク話してるのを頬杖をついて眺めてる、俺。
おーちゃんはもう、まぶたが塞がりそう。
「聞いてんのか!智!」
「きいてまぁーす」
ポケットでスマホが震える。
ちら、とふたりを見てから、そっとベランダに出る。
こんな時間に誰だろ…
ディスプレイに表示された名前に、息が止まる。
「もしもし……?」
『もしもし!見た?見てた?テレビ!』
「あ、うん。さっきまで、見てた」
『体操、団体金メダルだよ!』
「うん。かっこよかったよね!」
『相葉くんによろしく!って言ってたよ!』
しょーちゃんの声の後ろから、会場の熱気がそのまんま伝わってくる。
なんで、わざわざ電話くれたの?
帰国してからでもいいことじゃない?
「しょーちゃん、大忙しだね。ちゃんと休めてる?」
『いや、興奮状態でそれどころじゃない感じ』
「そっか…でもあんまり無理しないでね」
『……お前もな?』
小さく呟かれた声に、胸がぎゅってなる。
『帰ったら話したいことがあるんだ。時間作ってくれる?』
「話したい、こと?」
『こっちのうまい酒、買って帰るから…あ、やべ……もう行かなきゃ。じゃ、おやすみ』
「…うん、おやすみ」
暗くなったスマホの画面をしばらく眺めてからポケットにしまう。
「お、外は気持ちいいなぁー」
「あれ、おーちゃん、松潤は?」
「んふふ、寝ちゃった」
ふにゃんって、おーちゃんが笑う。
「相葉ちゃん、おいら、相葉ちゃんのこと好きだぞ?」
「くふふ、ありがと。俺もおーちゃん大好きだよ?」
おーちゃんの綺麗な指が、俺の頬を撫でる。
「相葉ちゃん、綺麗になったな」
「綺麗じゃ、ないよ」
「綺麗だよ」
ふわり
優しく抱きしめられて、危うく涙が零れそうになった。