「まぁは、何にすんの?バスケ?」
並んで教室に戻りながら、潤くんが聞いてきた。
「うん、バスケがいいなぁ。野球も好きだけど。潤くんは、やっぱりサッカー?」
「翔さんも、サッカーだと思うよ?」
俺の顔を見て、にやりと笑う。
「せ、先輩のことは聞いてないじゃん...」
自分でも隠せてないって分かってる、けど。
そこは突っ込まないでよ、なんて思ってみたりして。
もう、打ち合わせの内容なんて、ほとんど覚えてない。
覚えてるのは櫻井先輩の柔らかそうな唇と、レーザービームでも出てんじゃないかと思う、瞳だけ。
大丈夫なのかな、俺、こんなんで...
潤くんが俺の頭をくしゃって、撫でた。
「俺は、いいと思うよ?」
「...いいって、何が?」
「うっわ...お前、ダメだよそれ」
潤くんを見たら、顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
「だめ????」
何が、ダメ?
俺、なんかいけないことしたかな?
「上目遣いとか、ナシ!そんなうるうるな瞳で上目遣いとか、ナシ!」
「うわめ、づかい?」
そんなこと、してないし。
しかも、うるうるって、なに?
「わー!首傾げんのも、ナシ!!押し倒したくなるから、ヤメロ」
「ちょ...!潤くんが何言ってんのか、全然分かんないんだけど!」
いいって言ったり、ダメって言ったり、最後にはヤメロ!とか...
潤くんが、はーって、ため息をついてから、俺の手を引っ張って、渡り廊下の隅っこに移動した。
「どうしたの?潤く...」
「...ごめん...」
そう言って、潤くんが俺のことをぎゅって、抱きしめた。