結局、おーのさんがいつもと違う感じだったのは、あの日、だけで...
何事もなく、数日が過ぎた。
相葉さんの診察も、日に3回に数が減って、リハビリも、順調に進んでいる。
櫻井さんも相変わらず、時間を見つけては足しげく相葉さんの病室へ通っていて...
そろそろ、相葉さんに全てを話す時なんだろうか...
今朝の分の相葉さんのデータを見返しながら、ふと、モニターに目をやって、口をつけたコーヒーを危うく吹き出しそうになった。
「あんの...バカ!」
インカムをデスクに投げつけて、立ち上がる。
「うぉっ...」
コーヒーを手に席に戻ろうとしていた松本さんの横を、ぶつかるギリギリですり抜けて、エレベーターに飛び乗る。
何度押しても変わらないのに、『閉』ボタンを何度も押した。
エレベーターのドアが開くと同時に飛び出して、相葉さんの部屋のドアをこれでもかってくらいに、叩く。
ガタガタと音がして、
「はいっ…………」
慌てたような相葉さんの声が聞こえた。
「二宮です」
「どっ、どうぞ………」
ふう、って、一呼吸置いてからドアに手をかける。
ペットボトルを持ったまま、怪訝そうな顔で俺を見る櫻井さんに詰め寄る。
「櫻井さん、俺言いましたよね!?」
「な、何を!?」
そんなもん持って、誤魔化しても無駄だっての!
俺の剣幕に押されて、櫻井さんが後ずさる。
「イチャイチャするならほどほどにって!!」
「……………え?」
「え?」
俺の言葉に、櫻井さんと相葉さんが、間抜けな声を出した。
言ったよな!イチャイチャすんなって!
無理させんなって!
てか、病室でする事じゃねぇだろが!
「あそこ!!監視カメラ、ついてますから!!」
カメラを指さした俺の手を、櫻井さんの視線が追いかけて...
それを追いかけて、相葉さんの顔も動いた。
「なっ…………」
「えっ…………」
2人が、絶句する。
ついでに録画されてることも教えてやったら、二人の顔色が変わった。
...これは、クロだな...
あの日、おーのさんが画像編集してたのは、そのせいか...
「こないだおーのさんがモニター見た後で青冷めてたのはアンタたちのせいでしょうかね?」
「あ…………」
心当たりのありそうな櫻井さんに、ため息をついた。
ホントに、相葉さんのことになると、とんだバカだ、この人。
「監視カメラがついていないのはトイレと風呂!!イチャイチャするならそっちでやってください!!いいですね!?」
間抜け面の櫻井さんにそう、言い放って、相葉さんの病室を後にした。