家に帰ったら、しょーちゃんの髪の毛が
黒くなって、短くなってて、ビックリした。
その理由が、明日から学校行くとかで、
なんかもう、昨日から驚くことばっかりで、
頭がパンクしそう。
きっと、きっとしょーちゃんは
ずっと、ずぅっといろいろ考えて
きちんと、いろいろ準備して
それから帰ってきたんだよね。
一緒に学校に行こうって約束も
忘れないでいてくれたのかな?
そんなふうに思ったら嬉しくなって、
思わずバンザイ!しちゃったけど…
その瞬間に思い出したんだ。
クラスの女のコたちと、かずの言葉…
「どうした?」
僕が急におとなしくなったから、
しょーちゃんが聞いてきた。
そうだよ、全部しょーちゃんのせいなんだから!
僕はしょーちゃんを指さした。
「今朝、大変だったんだよ!
クラスの女の子たちが、昨日の金髪イケメンは
どこの誰だー?!って大騒ぎで。
明日からしょーちゃんが学校に来たら、
大騒ぎだね?」
「興味ねぇし」
僕の言葉にかぶせるように
しょーちゃんは言った。
一瞬、しょーちゃんが怒ってるのかと思って
ビックリしたけど、そうじゃないみたい。
女のコたちに興味がないのは、やっぱり、
好きな子がいるから?
ずっと好きな子…
僕も知ってる子なのかな?
…聞いたらいいじゃん。
カンタンだろ?
『しょーちゃんは、好きな子いないの?』
ってさ。
別に変な質問でも何でもないじゃん。
…けど、もしも『いるよ』って言われたら?
だめだ、そんなの。
怖くて聞けない。
「しょーちゃんってさ…」
勝手に動いた自分の口にビックリする。
今、怖くて聞けないって思ってたのに、なんで?
「なに?」
考えろ、考えろ…
「あ、えと、制服!制服はどーすんの?」
「さすがに短期間で制服買うのも
もったいないから、黒っぽいズボンと
白シャツならなんでもいいってさ」
しょーちゃんは一瞬、不思議そうな顔をしたけど、
そう答えた。
「ふぅん、そうなんだぁ!
ふふふ、しょーちゃんと学校行くの
初めてだね!」
そうだよ、しょーちゃんと学校に行けるなんて、
それだけで嬉しいじゃん。
そう思ったら、自然と笑顔になっていく。
そんな僕を見て、最初は難しい顔をしていた
しょーちゃんも笑顔になった。
「あ、コレ、おばさんが
雅紀が帰ってきたら渡してくれって」
って、言いながらしょーちゃんが出してきた
紙袋には見たことのあるマークがついていて…
「あ!それ!」
僕は慌てて受け取った。
「これ!スマホでしょ?!
夏休みに買ってくれる約束だったけど…」
「うん。
なんか、俺のいる間の方がいいわよねって、
言ってた(笑)」
ガサガサとスマホを取り出して、
「しょーちゃんのとおソロだね!」
って、言ったら、しょーちゃんがにっこり笑って
「とりあえず、充電してこい
勉強終わったら、いろいろ教えてやるから」
って言ってくれた。
「うん!わかったー!」
慌てて荷物をまとめて階段を駆け上がっていたら
「転ぶなよー!」
って、しょーちゃんの声が聞こえた。