カフェを出て2人で歩く。
昨日はあんなに遠くに感じた松本さんが、今はこんなに近くに感じる。
どこ、行こうか?
松本さんが手を差し出す。
繋いでいいの?
戸惑いながら、松本さんの手を握ると、子供みたいにぶんぶんと大きく降る。
可愛い。
こんなとこも、あるんだね。
ひとつひとつ、松本さんを知っていくのが、嬉しくてたまらない。
何ニヤニヤしてんの?
松本さんが、あたしの顔を覗いた。
やばっ
見られた…
あーっ、なんかエッチな事考えてたでしょっ?
やだっ、違っ
そんなこと考えてませんっ!
繋いだ手を離して両手で否定する。
ふふと、松本さんは笑い、
ねぇ、そろそろですます使うのやめよー?
あと、松本さんもナシね?
はい…
あ、うん…かな?
こくりと頷く。
じゃあ、なんて呼べばいいですか?
…じゃなくて、呼べばいいかな?
そぉだなー、潤でいいや
潤…
ムリムリ!かなり、照れるんですけど…
呼んでみ?
潤…クン…
小さい声でつぶやく。
えぇー、聞こえないよー
もっかい呼んでみ?
あたし、完全にからかわれてるな…
潤…クン…でも、いい?
いいよ、そのうち潤て、呼べるようになるよ。
じゃあさっ、あたしのことも弥生さんじゃなくて…
あ、呼び捨てのがいい?
うん…
じゃあ、そーする。
やよい…
愛しい人の声があたしの名前を呼ぶ。
それだけで、あたしは溶けてしまいそうだ。
恥ずかしくて、うつむいたまま返事をする。
こっち見て返事しよーね。
潤クンの手があたしの頬を掴み、自分の方に向ける。
近いよっ
思ったとたん、潤クンの唇があたしの唇に重なる。
それは、とても優しいキスだった。
あたしの気持ちを確かめるように、決して強引じゃない、優しいキス。
唇が離れると
好きだよ。
優しい声で潤クンが言った。
うん。
恥ずかしさと、嬉しさで声がうわずる。
どうか、この幸せなときがずっと、続きますように。
心の底からそう思った。