「いらっしゃいませ。」
今日のあたしは朝から機嫌がいい。
大好きな人があたしに会いに来てくれたから。
なんて、あたしは単純なんだろう。
そして、そのあたしの大好きな人はいつもの席でいつものコーヒーを飲んでいる。
なにやら、真剣な表情で書類を読んでいる。
その横顔を見るのが大好きなの。
潤クンがあたしに気づいてこちらを見る。
あたしはコーヒーのお代わりを持って潤クンのテーブルへ足を運んだ。
「何、見とれてんの?」
「へへ。バレたか…」
潤クンの手がくいくいと、あたしを呼ぶ。
周りを伺いながらあたしは、耳を潤クンの顔によせた。
「今日は、いっぱいチュウしてあげるから。」
「!!!!!!」
きっと、あたしの顔は真っ赤だ…
「ちょっ… 他のお客さんに聞こえちゃうでしょっ」
テーブルで一礼をして、ウェトレスステーションへもどる。
びっくりしたけど、すごく嬉しくてあたしの顔はきっと、ずっとにやけてる。
潤クンて、そんなこと口に出して言うんだね。
毎日、毎日新しい潤クンを知るのがうれしくて。
潤クンがいるから、あたしの毎日はキラキラと輝くんだ。
「この、幸せモノめっ」
同僚の声で我に帰る。
「へへ。幸せでごめんね。」
潤クンが仕事へ向かった後も、ご機嫌で仕事をこなした。
今日は、いつもより仕事が終わるのが早いあたしは、帰りにスーパーに寄り夕御飯の食材を、買って潤クンの家へ向かう。
得意のパスタとスープを作って潤クンの帰りを待つ。
ガチャン
潤クンだっ
あたしは、玄関へすっ飛んでいった。
ただいま。
おかえり。
出迎えたあたしを、ギュッとしてから体を離し、いつもの優しいキスをくれた。
あたしは、いつもそれだけでとろけそうになるんだ。
ご飯、できてるよ。
んー、その前にお前が食べたい
えっ?!
ドギマギしてるあたしをよそに、潤クンは余裕の笑顔で、おいで、と両手を広げている。
そんな潤クンを前に、照れてるあたしの腕をひきよせ、自分の胸にうずめる。
潤クンの匂いがする。
大好きな、甘い匂い。
潤クンの胸に耳をくっつけたまま、潤クンの鼓動の音を聞く。
潤クン
大好き…
思わず、口からこぼれた。
知ってるよ…!
もー、バカ…!
今日は、いっぱいチュウするって、言ったでしょ?
でも、ご飯できてるよ?
ご飯より、お前が食べたいの!
半分、だだっ子のようなコトバに思わず笑ってしまった。
あっ。笑ったね?
ごめん…
だって…
そう答えるあたしをひょいと抱えると、ベッドルームに運んだ。
ベッドの上に優しく下ろし、あたしの瞼にキスをした。
それだけで、あたしの身体は熱くなっていく。
優しく髪を撫で、潤クンの唇がおでこを這う。
大好きな人に抱かれるって、こんなに幸せなんだね…
終わった後も潤クンは、限りなく優しい。
耳元で大好きだよ…って、囁きながらたくさん、キスをくれた。
あたしは、この瞬間の幸せがなんだか怖くなって、涙が出た。
潤クンにきづかれないようにと思ったけど、やっぱり気づかれてしまった。
…なんで、ないてるの?
嫌だった…?
違う、違うの…
幸せすぎて、怖くなったの…
なんだよ
それ…
そんなに俺が信用出来ない?
だって、潤クンカッコいいんだもん。
こんな、年上の女よりもっと若くて可愛い子が、周りにはいるでしょ?
うん。
いるよ。
こんな時まで潤クンは、正直だ…
でも、俺はお前がいいの!
俺が好きなのは、お前なの!
わかった?
……………
わかったって言わないともう1回襲うぞ!
きゃー、わかった、わかったよぅー!
こんな、じゃれ合いさえ、あたしには愛しくて仕方なかった。