(V) スペイン旅行 その14 カセレス | オレゴンの微風

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在米50年、木々のざわめきで知るオレゴンの微風の中に小さな幸せを感じる今日この頃。特別養子で授かった愛しい娘の事や、結婚生活36年でこの世を去ってしまったオットとの日々、それにチワワのむ〜ちゃんを交え、徒然なるままに書くブログです。

今朝は早くにチェックアウトをし、私達が昨日食べたサラマンカ名物のイベリコ豚やチョリソーの入った『オルナッソ』を朝ごはん用にテイクアウェイし、イギリスのマダムさんが持って来て下さったお紅茶をそれぞれミニ魔法瓶に入れて、乗合自動車ブラブラカーに乗り込みました。

 

石造りの小さな町を幾つも通り越し、灌木が茂る赤茶けた岡を見ながら南に200キロ、2時間ほどして、世界遺産の城塞都市カセレスに着きました。

 

先ず行ったのは、マルトラビエソ洞窟ビジターセンターです。ブラブラカーは私たちの貸切だったので、車に荷物を残して、見学に行きました。勿論、洞窟自体には入れませんが、ビジターセンターには展示物、模型、紹介ビデオ、等身大の洞窟レプリカもあるのです。

この鉄の門の中に1951年に発見されたマルトラビエソ洞窟があります。ここには現生人類(ホモ・サピエンス)が欧州に進出する2万年前の6万5千年前にネアンデルタール人によって描かれた71枚の手のステンシルと直線的なデザインといくつかの動物の壁画があるそうです。
その後、今夜の宿泊先のパラドール・カセレスに行きました。パラドールは、スペイン全土に展開している国営のホテルで、中世の古城や王侯貴族の邸宅や別荘、修道院などの歴史的建造物を利用した、まさにスペイン中世の雰囲気を感じることができる宿泊施設です。
カセレスのパラドールは14世紀に建てられた旧トレ・オルガス邸を改造した物で、旧市街に建つなかなか良い感じのホテルです。

パラドールに荷物を置いて、16世紀に建てられた貴族ゴルフィン一族のゴルフィネス宮殿に行きました。この宮殿には国王も滞在するほど、ゴルフィン家は当時の国王に信頼を受けていた由緒ある家柄だったそうです。家具、美術品、礼拝堂から当時の裕福な暮らしが忍ばれました。

 

次はお隣のサンタマリア・カテドラルです。イスラム寺院跡に14世紀から15世紀にかけて造られたゴシック様式を含むロマネスク様式の教会です。外観は質素ですが、内部は細かい装飾が素晴らしかったです。祭壇はスペインでは珍しい(?)木造でシックでしたが、マリア様の祭壇はキンキラキンでした。笑 塔に登って暫し中世の街並みを楽しみました。(塔はルネサンス様式だそうです。)

 

その次は、教会の先の、カルハバル宮殿です。貴族カルバハル一族のカルハバル宮殿は金銀が大量にカセレスに入り込んだ15~16世紀に建てられので、とても豪華な建物でした。19世紀に火事になりましたが、その後修復され、現在は世界遺産の象徴的邸宅として中庭も見学可能になっています。

 

そして、今日のランチはカセレス名物の『チャンファイナ』という臓物等の煮込みを頂きました。臓物と言われてチョット尻込みした方もいらっしゃいましたが、『早い話が、博多のモツ煮のスペイン番だよ〜』との一声で、皆んなで食べてみました。地元産の赤ワインと味がマッチして、とても美味しかったです。

 

昼食後はパラドールに戻って、チョットお昼寝をしました。この街はシエスタをしっかり守っているので、この時間は閉まっている観光地が多いのです。

 

お昼寝の後はカセレス博物館に行きました。11世紀のアラブ時代に作られたアルヒベ(貯水槽)の上に建てられた貴族べレタス一族のラス・べレタス宮殿が現在はカセレス博物館になっています。ローマ時代の発掘品(食器、装飾品)やモザイク、石の彫刻、昔の農機具や衣服等の展示が素晴らしいでが、何と言っても、地下のアルヒベがここに来た価値を感じさせてくれました。

 

その後はサンフランシスコ・ハビエル教会に行きました。この教会は、旧市街でも高い所に在るのでここの塔は見晴の良い事でも有名です。先ほど登ったサンタ・マリア教会の塔が下に見えました。私達がお礼拝堂に降りて行った時には誰もいなかったので、このフラスコ天井の下で、大声で歌ってみました。(皆さん、びっくりさせてごめんなさい!)音響が最高で、メチャクチャ気分が良かったです。爆笑

 

カセレスはローマ帝国によって紀元前に築かれ、西ゴート人、イスラム教徒、キリスト教らの支配と時代の波に翻弄さた交易都市だったそうです。アメリカ大陸から大量の金銀が入ってくる様になると、街はより栄えパラドールになっているトレ・オルガス邸、ゴルフィス宮殿、カルバハル宮殿、博物館になっているラス・べレタス宮殿の様な豪華な邸宅、宮殿、教会が、ルネッサンス様式、ゴシック様式で建てられたのですが、同時にメスキータやアラブ風の邸宅は壊されたそうです。その富を守る為か、旧市街は敵の襲来に対応できる様に頑丈な城壁に囲まれていて、まるで中世に紛れ込んだ様に感じる、高い壁に狭い路地の美しい街並みなのです。

 

サンタマリア大聖堂の前からエストレリャ・アーチ(星の門)を出るとマヨール広場にでます。マヨール広場の周りにはタパスバーが沢山あって、今夜もここでバルの梯子で〜す。笑笑

 

タパスバー街からパラドールまでは500メートルも無いのですが上り坂なので、今夜のペンギンの行列はいつもよりノロノロ、ヨチヨチでした。

 

ではまた明日。

 

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今日の音楽は、学生時代聖歌隊でイースターに必ず歌ったウィリアム・バードのヘックディエスです。

教会で歌えるのが最高ですが、ホーリートリニティの聖歌隊の方達がコロナに負けずに美しいコーラスを披露して下さいました。感激です。