前回、ハーフペダルについて
お話しました。
今回は、ペダルつながりで、
ソステヌートペダルについて
お話したいと思います。
ソステヌートペダルというのは、
グランドピアノの3本あるペダルの
真ん中のペダルのことです。
アップライトピアノの真ん中のペダルは
ソステヌートペダルではなく
弱音にするためのペダルであることが
多いのですが、
最近は、グランドピアノと同じように
ソステヌートペダルの機能のものも
あるようです。
ソステヌートペダルは、
打鍵し、鍵盤がおりている間に踏むと、
その鍵盤から手を離しても
ペダルを踏んでいる間は
その音のダンパーだけが上がった状態になり、
音が鳴り続ける、
という機能を備えています。
他の鍵盤の音をどのように弾いても
また、ダンパーペダルを踏んでも影響は受けず、
自然に減衰するまで、
その音が保持されます。
【 使用例① 】
〜楽譜上に指示が無い例〜
⭐️ドビュッシー: 「沈める寺」
前回の〈ハーフペダル〉の使用例で示した箇所で
ソステヌートペダルを使うこともできます。
バスのC音を弾き、
C音の鍵盤がおりている間に
ソステヌートペダルを踏むと、
その後の連続する和音を
ダンパーペダルを踏み換えながら弾いても
C音だけは濁らず鳴り続けます。
一説によると、ドビュッシーは、
このソステヌートペダルの機能を使うべく
「沈める寺」を作曲したのでは?とも。
( ※ 楽譜上には指示はありません )
前回はハーフペダルを使っての演奏を
ご紹介しましたが、
ソステヌートペダルを使うと
濁りが無く、よりクリアな響きで
まさに、この楽譜通りの演奏ができます。
ただ、私自身は、あまりクリア過ぎるより
多少音の重なりがあるほうが
「海の底に沈む寺」というイメージに
近いかなとも思っています😉
⭐️ラフマニノフ 「鐘」
ラフマニノフ の「鐘」でも、
ソステヌートペダルを有効に使える箇所が
あります。
ただ、こちらも、
あまりクリア過ぎるより
多少響きが混ざり合っているくらいのほうが
街中に響き渡る鐘の音のニュアンスが
出せるかもしれません。
・・・・・
ソステヌートペダルが使えそうな曲を
2曲例に挙げてみましたが、
どちらの曲も、
楽譜上にソステヌートペダルの指示は
ありません。
演奏する場所の響き具合や、お好みで(?)
ペダルの使い方をご検討くださいね。
【 使用例② 】
〜楽譜上に指示がある例〜
いわゆる現代曲には、楽譜に
ソステヌートペダル使用指示があるものも
多くあります。
⭐️武満徹「雨の樹 素描」
この楽譜では、
「R.」というのが右ペダル(ダンパーペダル)で、
「sus.」がソステヌートペダルです。
こういう場合、
作曲家がソステヌートペダルの音響効果を
計算し尽くして書いているものなので、
「お好みで!」とかではなく、
ソステヌートペダル使用は必須です!!
現代音楽には、
ソステヌートペダルを使用する箇所は
たくさん出てきます。
【 使用例③ 】
〜楽譜上に指示が無いが、物理的に必要な例〜
例えば、私が過去に弾いた中で
このような曲がありました。
⭐️オルフ「カルミナ ブラーナ」
バスのオクターブのD音を保持しながら
バス以外の音をスタッカートで弾くには、
ソステヌートペダル無しでは
もはや不可能!
必須でした‼️
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以上、ソステヌートペダルを使用する例を
いくつか挙げてみました。
頻繁に使うペダルではありませんが、
使い方を知っておくと
より表現の幅が広がると思います❣️
お宅のピアノにソステヌートペダルがある方は、
是非使って遊んでみてくださいね😊