最初は気難しげな顔でカン・ジウォン(演者:パク・ミニョンさん 박민영씨)が話す内容を聴いていたユ・ハンイル会長(演者:ムン・ソングンさん 문성근씨)でしたが、自分を卑下することなく主張すべきは主張する彼女の正直さと、見た目に似合わぬ胆力も感じ取ったのか、最後にジウォンが
『ジヒョクさんを私に下さい』と願いを口にした頃には、微笑みを見せてくれたのでした。
その頃、ハンイル会長邸宅の片隅では、ユ・ジヒョク部長(演者:ナ・イヌ さん 나인우씨)がイ・ソクジュン室長(演者:ハ・ドグォンさん 하도권씨)からパク・ミンファン(演者:イ・イギョン さん 이이경씨)に関する経過報告を受けていました。
「明日中にはミンファンの解雇手続きが完了する。だが なぜ法人保険について聞くんだ? 普通は継続しないし存在すら知らない」と尋ねるイ室長は、まだジヒョクの本当の狙いまでは解っていません。 この時のジヒョク部長はただ、
「彼なら継続するはずです」とだけイ室長に答えるのでした。
翌日、U&Kの会議室の一つでは、机の上に色とりどりの美味しそうなケーキ菓子が沢山並べられて、大勢の社員たちが試食を始めようとしている様子が映ります。
1人が3種類のケーキ菓子を選んで食べて、その味や食感を評価するようです。
別の小会議室ではデスクに「ペク・ウンホ シェフ」とネームプレートが立てられていて、カン・ジウォン代理とミールキットの具材についての打ち合わせをしています。
先ほどの広い方の会議室に並んだケーキ菓子は ウンホがU&K側で試食してもらうために持参したもののようでした。
また、ミールキットプロジェクトの方も ペク・ウンホ シェフが参加してから順調なようで、ジウォンも
『ほうれん草と貝のパスタが主力商品になりそうね。ほうれん草とつぶ貝って珍しい組み合わせだわ』と嬉しそうに話します。
そこへ広報担当のカメラマンが入ってきてウンホ シェフの写真を撮影するのですが、ちょっと固くなっているウンホを見てジウォンが笑っていました。
そんな会話をしながらも、実はウンホは会議室から見えるユ・ヒヨンのデスクが空いているのが気になっていて、彼女の姿が見えないので寂しそうでもありました。
打ち合わせも終わって、ビルの地上階フロアまでペク・ウンホを見送りに降りてきたカン・ジウォン。 2人はエントランス近くで、
『今日はありがとう』
「俺の方こそ無職にならずに済んだ。あとでレシピを修正して送るよ」
と言葉を交わし、さらにジウォンは
『詳細と日程が決まったら連絡する』と付け足します。すると、ウンホが
「ところで、ヒヨンさんとジヒョクさんの姿が見えないね」とジウォンに言うのですが、
『部長ならさっきまでいたのよ。…そういえば ヒヨンさんがいないわね』とジウォンが応えると、寂しそうな顔でウンホは
「今日は帰るよ」と告げます。
ジウォンも
『気を付けて。さよなら』とウンホを送り出しました。
そして、ジウォンがエレベータに乗って職場の16階フロアまで上がっている途中でハンドフォンにチョン・スミンからの着信があります。
すぐに「着信拒否」の操作をするジウォンでしたが、その後もまた電話がはいり、ジウォンは2度目の「着信拒否」をします。
エレベータの中でひとり、いやな雰囲気になったところで、エレベータが目的地の16階に到着してドアが開くのですが…、
そしたらねー奥さん、
ちょっと聞ぃて下さいよ!
(コレが噂の黄色い声
)
あしたのジョー ね…
…じゃなかった…
あんのじょう ね…
能面みたいな顔の
チョン・スミン
が立ってたんですわ~
それでも、まるで”スミンなど目に入らない” とでもいうように、ジウォンが彼女の横をすり抜けようとすると、「電話に出なさいよ!」と声をかけるスミンはさらにジウォンを追いかけながら、その手を引っ張って「なんで無視するの?」と問い詰めますが、ジウォンの方は
『電話に出る理由なんてない』ときっぱりはねのけます。するとスミンはにやりと笑って
「気持ちは分かるわ。7年も付き合った彼を取られたんだから仕方ない。でも結婚してる人を誘惑したらダメでしょ。おかげで離婚の危機よ」と喧嘩腰の態度です。
しかし、そんなスミンの態度にも全く痛痒を感じていない様子のウォンは、警備室に電話をかけて「16階に部外者が侵入しています。すぐ来てください」と通報します。
そんなジウォンの態度を見て、
「何のつもり?ただでは済まさないわ」と腹を立てるスミンですが、ジウォンは冷静に、
『あのね、私は人の男には興味が無いの。あなたは前科が有るから私を疑うのね。あの男は…7年付き合った彼女を裏切ったのよ。あなたも同じ目に遭うかもね』と忠告します。
「あなたたちのこと…、会社中に言いふらしてやるわ。見てなさい」と反発するのですが、ジウォンはその顔に薄ら笑いを浮かべながら、
『それは残念。あなたの夫はクビになったのよ。今すぐ帰って いい妻でも演じて…あぁ、離婚するのよね? かわいそうに。だけど…変な言いがかりはやめて。私があんなゴミを欲しがるわけないでしょ。そんなのバカがすることよ』
とダメ押しするようなセリフを言って、笑いながらスミンに背を向けるのでした。
その後、すぐに警備員によってビルの外へ連れ出されたスミンは「あの女め、許さない。今に見てなさい」と大声を上げ、持っていたバッグを地面に叩きつけるのでした。
その時、ビルの16階 U&Kの会議室には、追い出されたスミンからかかってくるはずの電話を待つユ・ジヒョク部長とカン・ジウォン代理の姿がありました。
「チョンさんから電話が来るはずだ」とジヒョクがジウォンに話していると、案の定ジヒョク部長のハンドフォンにスミンからの着信があり、ジヒョクがスピーカーONで通話を開始するとスミンが、
「ジウォンは私が潰すわ。復縁しなさい。でもその前にあの女を破滅させる。後悔させてやるわ。それまで待ってて」と言っている声が聞こえました。
『思惑通りね』とジウォンが満足すると、ジヒョク部長の方は
「ミンファンは任せて。そろそろ受け取る頃だ」と腕時計を見るのでした。
画面はミンファンの自宅へと変わり、郵便配達員がU&Kから送られた「保険証券」の封書をパク・ミンファンの元へ届けました。それは会社がかけていた社員と家族の生命保険契約の継続案内の書類でした。
「ふざけてるのか。保険料なんてはらえるかよ!」と書類を床に投げつけるミンファン。
しかし "ふと" 思い直した彼は、書類を手に取って契約内容を確認してみました。
すると、書類には
「配偶者死亡時、5億ウォン(約5500万円)支給」と書かれています。
一度は借金返済のために「自殺」という選択肢まで頭に浮かべたことがあるミンファンはとうとう、オ・ユラの助けを借りて妻のチョン・スミンを殺害し、その死亡保険金を受け取ろうという計画を思い立つのでした。
すぐにユラのマンションを訪問して、彼女の前で土下座をするパク・ミンファン。
保険金目当てで妻のチョン・スミンを殺害するために、オ・ユラの力を借りようと考えて来たのです。
オ・ユラには
「これ以上迷惑をかけるつもりはない。取引させてくれ。スミンのことは俺がなんとかしてみせる」と誓います。
ユラはそんなミンファンにとりあえず食事を与えて落ち着かせます。
彼が落ち着いたのを見計らったユラは、
「何とかするって とうやるの?」と質問します。、ミンファンは
「借金で自殺も考えたが…解決策を見つけた。ユラさんの役に立てると思うんだ」と言うと、U&Kから送られてきた生命保険証書を見せます。
「(でも支払いを受けられるのは)”死んだら”…の話でしょ?」とユラが言うと
「スミンを消せば 君を脅迫する者はいなくなる。簡単じゃないことは分かってる。力を貸してくれないか?」とミンファンはユラのメリットも説いて頼み込みます。
ユラが、「後始末をしろって?また?」と問いかけると、ミンファンはさらに上乗せの頼みを口にします。
「後始末だけでなく 準備も手伝って欲しい。俺にはカネもコネもないんだ」というミンファンに、ユラは
「根性はあるの?何もないなら根性を見せてちょうだい。でも それだけではダメよ」と相手をたしなめるように言うと、彼女をぐっと抱き寄せたミンファンは、
「簡単な決断だとでも? もう後がないんだ。命懸けでやる」と厳しい表情を見せます。
そんなミンファンに、オ・ユラは
「これが最後よ」と念を押すと、彼に背を向けて部屋を出て行くのでした。
つづく~
パク・ミンファンにとって最後の頼みの綱はオ・ユラでした…
妻のチョン・スミン殺害工作の助力をユラに依頼するシーン
『私の夫と結婚して』第15話~Finaly Park Min-Hwan died:その5…へつづく
執筆者への愛のムチを
頂けましたら幸甚です