”フンのスーパー”の店頭、いつものように長椅子に腰かけたイ・ジェマンが、息子から渡された表彰状に見入っています。
そこには、 ”表彰状 イ・ガンフン ~ あらゆる面で 他生徒の模範となり…云々” と書いてあり、その文字を指でなぞるジェマンですが、ふと遠くの都心のビル群を見る目は、なんだか寂しそうです。
カメラは大韓民国国家情報院の建物へと移ります。
国家情報院の建物の正面には、観るたびに違う言葉が彫られているように思い出される石碑が今回も建っていますが、その石碑には「献身 大韓民国の守護と栄光の為に」 と彫られています。
画面はさらにミン次長の姿を映します。彼が、
『自ら訪ねて来るとは正直思わなかった。役に立ちそうだ。 研修中に任務をひとつ与える。能力を示してみろ』 と会話をしている相手は、イ・ジェマンの息子のガンフンでした。
ミン次長に対して「条件があります。父の前科を抹消するという約束を守って下さい」とガンフンが念押しすると、
「下がれ、後で知らせる」と命じて 話を打ち切るミン次長でした。
なるほど…、ガンフンは脚にGPSを付けられて四六時中管理下に置かれている父親のジェマンを自由にしてあげる為に、いわば我が身を「身売り」する覚悟なんですね…
そんな会話を終えて、次長室のドアを出たガンフンと入れ替わりに、ミン次長の部下で国家安全企画部の情報管理局長のヨ・ウンギュ(演者 キム・シンロク氏)に案内されて2人の男女がやってきました。
男性が、
「第5次長(ミンのこと)が一般部署のオフィスに?」と尋ねると、
ヨ・ウンギュ管理局長が
「はい、保安の為です。5チームの存在は極秘でして」などと応えています。
あれっ、真ん中の人、どこかで見たような女性ですけど~
あっ、やっぱり 前の高校で不良達の苛めにあっているところをチャン・ヒスに助けられた後、ヒスを追いかけるようにチョンウォン高校3年3組に転校してきた女子生徒のシン・へウォン(演者 シム・ダルギ氏)じゃないのーっ
シン・へウォンらが部屋に入ってくると ミン次長は椅子から立ち上がって居住まいを正します。 そんなミン次長に対して、
『ミン・ヨンジュン、 ひどい仕事ぶりね』と叱責口調のシン・へウォンです。
へっ?コヤツ一体何者なのぉ~!?
それを後ろで聴いているのは
あーっ、このおじさんもチョンウォン高校の校門警備員に扮していたファン・ジソン(演者 キム・ジョンス氏)要員じゃないのーっ
おまけに、後ろに控えている、ヨ・ウンギュ情報管理局長は全部知ってたのーっ
ミン次長は「あの、それは…」と言ったきりうなだれるばかりでした。
ここで場面は変わって、夜、門灯も点かない、うらぶれたモーテルのドアからチャン・ジュウォンがタオルで手を拭きながら出てきます。
そして、ドアの前に置いてあったチキン店の配達用スクーターに跨ると、細い路地の向こうに走り去っていきました。
スクーターに乗ったジュウォンが闇の中へ消えていくと、キャメラはうらぶれたモーテルの部屋の中を写します。
そこは、血が飛び散った跡が目立つ部屋の中で、どこかで聞いたような声が聞こえてきます。
「人はどうしたって痕跡を残すものです。どこへ逃げようと、どう隠れようと、私は痕跡を見逃さない。必ず嗅ぎつける」
そこ迄声が聞こえたところで、その言葉の主であった情報院安企部課長で、チョンウォン高校の校長でもあったチョ・レヒョク(演者 ユ・スンモク氏)が、血だらけになったベッドと壁との間に挟まれ、言葉も話せないほど顔を破壊された半死半生の姿で痙攣している姿が映ります。
チャン・ジュウォンと初めて出会った時から、チョ・レヒョクという男は自分の出世の為には大韓民国の同胞、兵士や警察など他者の命を犠牲にしても全然気にしない…という姿を見せてましたし、愛娘のヒスまで自分の栄達の道具にしようとしていたわけですから、チャン・ジュウォンから毛嫌いされて当然ですし、この男をこんな再起不能の姿にした人物は、先ほどスクーターに乗ってモーテルから去って行ったジュウォンで間違いないでしょう。
キャメラは次に、北の共和国へと飛びます。
額に飾られた代々の北の独裁者一族の写真を前にして、保衛部長(演者 ソン・ビョンホ)と相対するひとりの兵士の後姿が映ります。
保衛部長が『それで、失敗か?』とその兵士に尋ねます。
「はい、名誉ある死でした」…と、答えた兵士の顔が映ると、それは先のチョンウォン高校での戦闘で右手首から先を失った飛行能力者のチョン・ジュンファ(演者 ヤン・ドングン氏)でした。
『いや、ファイルだ。 見つからなかったか?』と保衛部長が訊くと、
「申し訳ありません」とジュンファが答えます。
『片腕が吹っ飛んだらしいが、手首は残ったのか。 では、南で何があったのか、詳しく報告しろ。 南の異能力者らの子供達も 異能力を持っているのか?』
と、保衛部長がそこまで問い続けると、
「先に伺いたいことが」…と、ジュンファン。
『言ってみろ』と保衛部長が促すと、
「関係者の始末で十分だったのでは? なぜファイルを持ち帰れと命じたのですか?」とジュンファが尋ねます。
すると『確かめてこそ、我々も始められる。われも始められる』と応える保衛部長。
それを聞くと、チョン・ジュンファは手首から先を無くした右腕を保衛部長に向けて上げました。
『それは?』と首をかしげる保衛部長ですが、
実は、ジュンファは失った右手首から先の代わりに、右腕の先には拳銃を仕込んでおり、その拳銃の引き金は、残っている左掌側の中指に仕掛け糸をむすんで操作できるように工夫をしていました。 そんな糸が結ばれた左掌の中指を腰の横で立てるジュンファ…。
で、これは多分 視聴者を笑わせようという演出だと思うのですが、引き金を引くための左手の中指を立てるポーズが、アメリカ人が良くやる「FUCK YOU!(くたばれ・くそくらえ)」の形になるんですね。
”あっ”という間にジュンファの右筒袖の先から拳銃がとびだし、そして撃鉄が落ちます。
チョン・ジュンファの銃弾は至近距離から保衛部長の身体を撃ち抜き、その身体がのけぞったままの死体となった事を確認したジュンファは踵を返して部長の部屋を出てゆくのでした。
ここでまたもや回想シーンとなり、画面の風景は、チョ・ジュンファが初めて飛行能力を見せた試練の山、1995年のスリ山の風景へと変わります。
銃を持って自分を取り囲んで行進する兵士たちとは違い、自分を支えるようにして寄り添ってあるく上級な軍服を着た副隊長格の軍人に、ジュンファは「同志は何者ですか?」と尋ねます。
その兵士は『先に選ばれたものだ』と応えました。
「選ばれた?」
『”バレた” と言うべきか』
「同志も空を飛べますか?」
『いや、力が強いだけだ』
と、そういった兵士の顔を観ると、あぁ、この男は怪力男のパク・チャンイル(演者 チョ・ボクレ氏)だ!とわかります。 後に同じ怪力男のイ・ジェマンと闘って破れ、イ・ミヒョンにとどめを刺されるチャンイルは、ジュンファにとっては先輩格になる人物だったんだとここで視聴者は知るのですね。
会話は続き、
「力が強いならば(異能力者軍団入りを)拒めただろうに…」とジュンファが言うと、パク・チャンイルは少し考えてから
『同志と同じ理由だ』と言います。
「家族のため? 俺はもうじき父親になるんです。子供が生まれます」とジュンファが嬉しそうな顔で言うと、パク・チャンイルは周りの兵士たちの耳を気にするような顔に戻って
『静かに』と、命じるのでした。
ああぁあぁぁ~ホントに御免なさい。
今夜もまだ終わりませんでした。
この続きは(その完結)として、また明日書かせて頂きます~
それじゃあ、 らた まいしゅう!
執筆者への愛のムチを
頂けましたら幸甚です