キャスト・アウェイ Cast Away (20th CENTURY FOX 2000年) |
Writer ... William Broyles Jr.
Music by ... Alan Silvestri
Cinematography by ... Don Burgess
Film Editing by ... Arthur Schmidt
Helen Hunt … Kelly Frears
Nick Searcy … Stan
Jenifer Lewis … Becca Twig
Peter Von Berg … Yuri
Chris Noth … Jerry Lovett
Lari White … Bettina Peterson
Vince Martin … Pilot Al (as Vin Martin)
Fred Smith … HimSelf
チャック・ノーランド … トム・ハンクス
ケリー・フレアーズ … ヘレン・ハント
スタン … ニック・サーシー
ベッカ・トウィグ … ジェニファー・ルイス
ユーリ … ピーター・フォン・バーグ
ジェリー・ロベット … クリス・ノース
ベッティーナ・ピーターソン … ラリ・ホワイト
アルバート・“アル”・ミラー … ヴィンス・マーティン
本人役 … フレッド・スミス
Robinson には Friday という名の人間の相棒(黒人の従僕)が与えられますが、 Chuck にはWilson製のバレーボールが与えられるだけ。Chuck は自らの血でボールに顔を描き、ウィルソンと友のように呼んで心の拠りどころにします。この描写に僕の心は同情で埋め尽くされました。
大海原の片隅でチャックに訪れたウイルソンとの別れ
おしゃべり上手の Tom Hanks に一人芝居をさせて、ひたすら静かに彼を見つめるキャメラの視点が心地よくて秀逸だと思いました。普段の私達の生活が如何に素晴らしい騒々しさに満ちているかということも再確認しましたね。
ウィルソンとの別離のほかで、もうひとつ涙を落としそうになったのは、本国に生還した主人公がかっての恋人 Kelly と再会したシーンでした。彼女は別の男性と結婚し、新しい家族を持っている。ウィルソンとともに彼に唯一生きる希望をあたえ続けてくれていた「Kellyとの再会」がついには彼女との決定的な別れでしかなかったという結末。
「君を二度失った」という主人公の言葉は僕の胸に刺さりました。ただただ涙です。
この思いは彼女 Kelly とて同じだったでしょう。生き別れは、死に別れよりもつらいといいますからね。「あなたを二度も失った」彼女のその思いは、ウィルソンに自分をずっと映して生き延びて来た彼だからこそ「はっきり聞こえた」に違いありません。
身を引いた主人公、自分同様に本国に届くことなど考えられなかった筈のFEDEXの荷物を受け取り主届けに行く姿。新たな人生が風に乗ってやってくる予感を漂わせるラスト、佳い映画でした。