『マダム・イン・ニューヨーク』 (2012 印) | 日本と芸能事が大好きな Ameyuje のブログ

日本と芸能事が大好きな Ameyuje のブログ

米合衆国領土グアム島と仏領ポリネシアのタヒチ島とボラボラ島しか訪れた他国無し。比較対象が少ないのに「僕に一番合うのは日本」と思う。反日国に侮辱されても毅然とした態度をとらない現在の母国には「いやんなっちゃうな~」と立腹するけど、やっぱり日本が大好き。

 そろそろ映画レビューを書かないと、アメブロでの我がページの存続も危うい。 お笑いを挟んだ前回は韓国ドラマだったから、今回は同じアジアの映画大国、インドの作品を取り上げたい。 主演はインドを代表する女優であり、インド・タミルの典型的美女、故シュリデヴィ・カプールだ。

 

~ English Vinglish~ (2012 印)

Sridevi Kapoor (1963 - 2018)

 

 インド映画と言えば、日本では1998年の東京単館上映から火がついて、その後のレンタルマーケットでも人気作品となり、日本人にインド映画と言えば音楽とダンスがつきもののように覚え込ませてしまった「ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年 印度)」があります。

「ムトゥ 踊るマハラジャ」は、ぐっさん こと 山口智充さんがモノマネ番組で
 ♪チクビニパーパガ  ニンマーリ
  ベンジョデリッパニ ナリマーリ♪
空耳」風にパフォーマンスして、映画を覚えていた観客たちを沸かせたほどに流行った映画でした。


 インドでは30を超える異なる言語が話されていますが、公用語はヒンディと英語。しかし、Wikiによると「踊る…」はタミル語ロマンチックコメディとされていて、元のセリフではタミル語が使用されています。

 それが影響したのか、インド半島の南方、そして東側のベンガル湾を望む位置にあるタミル・ナードゥ州の劇場では「踊る…」は約半年間のロングランという成功を収めたそうです。

 


 そして、今回紹介する映画のヒロインを演じる シュリデヴィ・カプールは、そのタミル・ナードゥ州の出身で、4歳という幼さでデビューして以降、1997年の結婚により休業状態に入るまで、ボリウッドのアイドルとして愛されたインドの国民的女優でした。 「マダム・イン・ニューヨーク」という映画はそんなシュリデヴィ・カプールが結婚以来15年ぶりに復帰した作品です。 顔などはほっそりと見えるのですが、そこはインド女性、豊かな胸と豊かなヒップがサリーでは隠せませんね。

 

★ ★ ★

 

以下、一番のネタバレを書いてしまうのを許していただきたいのですが、

 

 映画のイメージを簡単に言うと、インドの中流家庭に暮らし、男女2人の子供を持ち、主人と義母に心を込めて仕える良き嫁が主人公です。 彼女はお料理、お菓子作りも得意なのだけれど、唯一の泣き所があって「英会話が苦手」なんですね。 そんなお母さんが、アメリカ旅行とニューヨーク生活という劇的な環境変化の中で自己啓発し、成長し、家族の絆の再構築を達成させるという過程を描いた 『ハッピーエンド』 を迎える映画です。

 

 私、いつもなんでけど、心底惚れた映画ほど、レビューを書くのが困難なんですね。まず書くまでに凄く長い時間がかかるし、書き始めても 「どうぞご覧になってください、きっとご満足いただけますから」 と三十数文字で終わる程度の言葉が一番本心のところなんですね。それ以上書くと本当の気持ちが消えちゃうような気がするんですね。 だから大好きになった映画ほど感想とかが書きにくいです。

 

 最近、eigachan-888様のブログで紹介されていた「グリーンブック」をU-NEXTで鑑賞して、無茶苦茶好きになったんですが、この映画もレビューがまだ書けてません。「Dancer in the Dark (2000)」なんかは、もぉ~一生レビューを書けないんじゃないかと思ってるくらい大好きな映画です。

 

 話がどんどん本作から離れますが、私が書いているチャップリンの「街の灯」についての文を見て頂ければお解り頂けるように、あれはただのチャーリー・エピソードの羅列であって、ちゃんとしたレビューではありません。初めて「街の灯」を観た十代の頃から もう40年以上も経ってますが、本当の意味でのレビューらしきものが書けていない最愛の映画です。

 

 普通に、イイ映画だね…という程度の作品ならば長々と文章を書けるんですけどね。 チャップリン映画に関するレビューは、私がチャーリーについて「勉強」した、その成果をレポートしているだけなんですね。

 

 さて、無理して、 レビューではなく、 紙芝居風の物語紹介にしてみると、

 

 私から見ると良妻賢母でしかないお母さんが 英語を間違えると、家族(旦那さん、お嬢さん、幼い息子さん)がなんとなく小馬鹿にする様子が冒頭で描かれます。 お父さんは英語が上手なので、娘はPTAへの参加も母親ではなく父親にお願いしているような具合です。

 

 

 

 

 結局仕事で忙しい父親の代わりに学校へ出向くことになった母親に迷惑顔で付き添う娘。英語担当の先生との面談では、最初こそ英会話がちぐはぐで、ぎくしゃくするものの、ヒンディで話してもらうようにお願いした途中からはお母さんの人間力が先生に伝わって打ち解けた会話になります。 でも娘はそれが恥ずかしい様子。

 

 ここまでの短いエピソードだけでも、私達日本人には想像もつかないインドの中流家庭に求められる英語力というものが良く判ります。 またあからさまには出てきませんが、カーストというものもそこはかとなく感じられるシーンがちらほら出てきます。

 

 インドは13億の人口に対し貧困率が13.4%。そして2015年時点で絶対貧困層(1日の生活費1.9ドル以下/衣食住すべて含んで約200円)で一生暮らす人間が1億7千万人も居る国ですからね。それを思うとこの映画が描く世界は、絶対貧困の立場にいるインド人とは対極に居るインド人家族の世界ではあります。

 

 すみません、話を戻すと、そんなお母さんに米国に住む姉から「娘の結婚式に招待するから、家族で来て頂戴!旅費もこちらで出すから。 そしてあなたは結婚式の準備を手伝ってね」という連絡がきます。

 

 お母さん以外はニューヨークに行けると聞いててワクワク、ただお父さんは仕事もあり、まず結婚式の準備を手伝う為に、お母さんだけが3週間 家族よりも先に渡米することになります。 娘のはしゃぐ様子とは逆に、まるで魔王の国に一人で送り込まれるように不安がり、夫と離れることを寂しがるお母さんの様子がかわいそうでした。

 

 

この可憐な泣き顔、49歳には見えません

 

 あとは細々書きますまい。 やはり お母さんが心配した通りに、旅立つ前にも、N.Y.に降り立った後にも とてもつらい仕打ちに会います。  でも異国にも神様は居るもので、 そんなお母さんに「3週間で英語が話せるようになります!」と広告を打っている英語学校との出会いが待っています。 

 

 

 

 

 いや、学校というよりも、その学校に通う 非英語圏の国々から来て、諸事情により「英語を早急にマスターしたい!」 という同じ課題と、各個人なりの悩みごとなどを抱えたクラスメイト達との出会いがお母さんを変えていく触媒となり、そして最後にはかけがえのない宝物となっていきます。 このあたり、日本の山田洋次監督がメガホンをとった「学校」シリーズに通じるものがあります。

 

 

 

 

 クラスメイトと食事したり、映画館で映画を観たり、異文化交流は面白いなぁ! ってシーンが次々と出てきてとても楽しいです。印象的だったのは、英語の勉強の為に仲間たちと一緒に入った映画館で、スクリーンに映るアメリカ映画を代表する美女 エリザベス・テイラーを、 インド映画を代表する美女 シュリデヴィ・カプールが見つめているシーンでした。 (二人とも 美しい…)

 

 

 

 

 エピソードを色々と積み重ね、そしていよいよラスト、姪御さんの結婚式、お母さんが全員を大感動させるシーンが待っています。

 

 もう書ききれませんが、ドラマ中にさりげなく使われる挿入歌の数々もとてもやさしくて、ボリウッド映画ならありえない『ラストにやっと出てくる群舞』も脂っこくなくて、そしてエンドロールのサービスシーンも感動を緩やかに収めてくれる、 あぁ、 インド映画って「踊るマハラジャ」から、 こんなにも変わったんだ~ と感動しきりでした。

 

 

 

 それにしても この映画出演の時のシュリデヴィ・カプールの年齢が49歳、日本ですと 今年の 石田ゆり子さんや木村多江さんと同じ年頃なんですね。 誠に世界的損失と思うのですが、彼女は2018年2月24日、甥の結婚式に出席するため滞在していたドバイのホテルの一室の浴槽で意識を失い54歳で溺死するという最期を迎えています。

 

 

 

執筆者への愛のムチを

頂けましたら幸甚ですニコ

にほんブログ村 芸能ブログ エンターテインメントへ
にほんブログ村