時空警察ヴェッカーχ・彷徨のエトランゼのあらすじ
ノエルサンドレ事件によって生まれた新しい時空間「エトランゼ」。さまよえる危険な時空を消滅させるため、時空刑事は時空特捜の導きによりエトランゼへ向かう。だが、エトランゼには閉じ込められている者たちがいた。さらにそこへ、エトランゼを利用して世界を滅ぼすために、時空監獄を脱走した人造生命体アヴァンタドールが現れる。エトランゼの行き着く先は1894年のドイツ。
まだ青春期を送るアインシュタインがいた時代……
この物語で斎藤亜美ちゃんが演じたのは時空刑事レピス。彼女は4人の時空刑事チームの中で一番お調子者の妹キャラで、弱い。しかし、正義感と若気の至りで仲間を裏切ってしまう。また、陰ではイブとして3人の時空怪盗を操る時空犯罪者でもあった。
僕が観たのは空組千秋楽。斎藤亜美ちゃんの出演舞台を観るのはこれが3作目だけど、この前の清水の次郎長はアンサンブル出演だったので、じっくり演技を観たのはパラダイスロストに次いで2作目。両方ともアリスインプロジェクトの作品でしたが、ここは異次元ものが好きなようで両方とも似たような世界観の物語でした。大きく違ったのはアクションがあるかないかですがこの違いは実に大きいのです。芝居だけの舞台作品よりも演じる難易度は遥かに高いからです。アクションが苦手だと言う亜美ちゃんはかなり苦労していたようです。女の子というのは総じてスポーツが苦手なものですが、やはりそういう部分が彼女のアクションに反映していたと思います。
彼女のアクションがもうひとつなのは身体の動きや力の入れ方にメリハリが足りないからです。たとえば刀を振る時は、振り始めから途中の間は力を入れないで、刀を止める最後の瞬間だけ力を込める。そうすれば見た目が美しくなり最大限の力も発揮できます。これは全てのスポーツや格闘技に共通することですけど、スポーツの苦手な女の子はこの動きがなかなかできないのです。彼女も何か一つスポーツをやれば理想的な筋肉の使い方というのが理解できると思いますが、まあ、その時間はないかなあ。
ということで、単純にパラダイスロストと比べるのは問題あるかもしれないですが、やはり、あの舞台と比べたら今回の彼女の演技はインパクトに欠けていたと思います。これが正直な僕の印象です。彼女に知れたら怒られそうですが、彼女には良い役者になってもらいたいので、妥協してほしくないし、こういう意見もあることを知ってもらいたいのです。いや、知らなければ知らないでもかまいませんがww
だいたい彼女はまだまだ成長途上にあります。体調を崩した上に苦手なアクションがあったあの舞台でいつもと同じような完璧な演技ができるほど完成されてはいないのです。たぶん。まだまだ若干4作目の舞台出演なのです。
ではどこらへんに問題があったかといいますと、舞台上での彼女の動きが、演技が硬かったような気がしたのです。レピス像をつかみきれていないのではないかという不安や、前後にあるアクションが彼女の演技を萎縮させたように思えました。パラダイスロストのシホはもっと伸び伸びと舞台の上を跳ねまわっていましたが、レピスは型にハマった動きしかしていなかったように見えました。なんかこう突き抜けた感じが足りなかったのです。人物設定が違うとは思いますが、シホとレピスは意外と共通する部分が多いのです。シホに比べレピスは弱い存在なのですが、おちゃらけた性格だし、正義感からとはいえ仲間を裏切るわけですから、強い意志を持ち人を翻弄するような要素も持っているはずなのです。しかも、途中からはイブという時空犯罪者になってオラクルの3人を操る設定になっていたわけですし…もっと自由奔放な部分を強調しても良かったかなと思います。
そして、イブとしてセリフを言う時は、もっと声色や表情に変化を付けた方が良かったと思います。僕が見た感じではレピスとイブを上手く使い分けているようには見えなかったです。
ブログでも監督の意図するレピス像がなかなかつかめなくて苦しんだことが書いてありましたが、亜美ちゃんは清く真っ直ぐな性格ゆえにレピスが持つ裏切り者の心情や複雑な人格がなかなか理解できなかったのかもしれません。是非色々な映画を観たり、小説を読んでみてほしいです。世の中には、あるいは架空の世の中には、実に複雑な人格の人々がいます。この舞台にもこれからの舞台にも参考になる例がいくらでもあるはずです。
今回亜美ちゃんは苦しい経験を色々したようですけど、役者を極めようと思ったらまだまだ序の口だと思います。しかし、間違いなく役者の才能はあると思います。アイドルの才能もあると思いますwwファンも確実に増えてきているようだし。
まあ、なんだかんだ言って素敵な舞台だったし亜美ちゃんも可愛かったんですけどね。


