台湾平渓線の旅の4回目、今回は九份と金瓜石について書きます。

 

 前回までの記事はこちら↓

 

 

 

 

 

九份と平渓線

 

 九份の最寄り駅は瑞芳。瑞芳は厳密には平渓線沿線ではありませんが、全ての平渓線列車は瑞芳に乗り入れており、台北方面から来て平渓線に乗り換える場合、瑞芳で乗り換えるのが一般的です。なぜなら平渓線の公式な始発駅・三貂嶺には区間車(快速)が止まらないからです。

 

 瑞芳から九份まではバスで15分くらい。本数も多い。タクシーも便利で、定額制なので安心。九份ー瑞芳間は一律205元(1000円ちょっと)でした(2024年12月現在)。

 

九份老街

 

 九份は丘の斜面に位置しており、基山街と豎崎路の二本のメインストリートがあります。基山街は緩やかな坂道、豎崎路は長い石段で、丘の上のほうで交差しています。階段を登るのは骨が折れるので、基山街の坂を上り、豎崎路の石段を下りて帰るのが九份観光の定番ルートです。

 

 ちなみにインターネットで検索をかけると、時々「九份」が「九彬」と書かれていることがありますが、これは単なる間違い。「份」と「彬」は日本語だと音読みも訓読みも同じなので混同したのでしょう。現地の方にも確認しましたが、台湾で「九份」を「九彬」と書くことはないそうです。

 

 基山街

 

 基山街は食べ物屋さん、お土産屋さんが軒を連ねる賑やかな通りです。人通りが多く、写真映えはしませんが、ウィンドーショッピングと食べ歩きが楽しいエリアです。

 

夜になってもこの混雑。昼間はもっと混んでいます。

 

オカリナ屋さん。

 

お土産はジブリグッズが多いです(たぶんパクリ)。特にカオナシが人気。

 

 基山街のストリートフードは種類が豊富で飽きません。わたしたちは足掛け6日も九份にいたので、大抵のストリートフードは食べましたが、どれも美味しかったです。

 

 特に美味しかったものを少しだけご紹介します。

 

五味綜合魚丸湯。味付けの違う魚肉団子が5つ入っているスープ。

 

旺角蝦球。揚げたエビ団子。

 

油葱粿。しょっぱいババロアのような軽食。

 

 阿珠雪在燒(パクチー入りアイスクレープ)。写真撮影のサービス付き。

 

 豎崎路

 

 九份ならではの景色を眺めたいなら豎崎路がオススメです。特に有名なのは、阿妹茶樓の周辺。

 

阿妹茶楼(あめおちゃ)。

 

 阿妹茶楼(あめおちゃ)はジブリアニメ「千と千尋の神隠し」に出てくる銭湯・油屋に似ていることで有名なお茶屋さんです。窓の景色を眺めながら台湾茶をゆっくりと楽しむことができます。

 

阿妹茶楼から景色を眺む。

 

 阿妹茶楼から外を眺めるのではなく、逆に、外から阿妹茶楼を眺めるのも一興です。

 

斜め向かいの海悦楼景観茶坊から阿妹茶楼を眺む。

 

 

 ゴールドラッシュ

 

 九份はかつて金の採掘で栄えた街。1893年に金鉱が発見され、日本統治時代に最盛期を迎えました。その時代を偲ばせるモニュメントがそここちらにありました。

 

九份小学校の階段。金が積まれたトロッコの絵。

 

坑道で働く人々のレリーフ。

 

手押し車で金を運ぶ銅像。

 

カフェの壁画。ネコのゴールドマイナーたち。

 

 ネコ

 

 九份も猫が多かったです。

 

 

金瓜石

 

 金瓜石も九份同様、かつて金の採掘で栄えた場所です。鉱脈が尽き、1985年に廃坑となりましたが、その影響が今だに残っています。

 

 金瓜石へは九份からハイキングがてら歩いて行くことも可能です。路線バスもあるにはありますが、黄金瀑布や水湳洞まで行く便は一日に数本です。

 

 

 山尖路観光歩道

 

 山尖路観光歩道は、かつて九份、金瓜石と水湳洞を結んでいた古道で、ハイキングには持ってこいの緑道です。

 

せせらぎの隣を歩いて行きます。

 

 途中で古い水道橋をくぐります。大量の水を工場に安定的に供給するため日本統治時代に建造された石造アーチ橋の名残です。

 

 

 黄金瀑布

 

 金瓜石の観光のハイライト、黄金瀑布はその名の通り、黄金色の滝です。

 


 

 この滝の成り立ちにも鉱山が関係しています。

 

 かつて金瓜石は東アジア最大の金山として栄え、金の採掘のため、無数の坑道が掘られました。その坑道に流れ込んだ雨水が再び地表に出て集う場所、それが黄金瀑布なのです。

 

 雨水は坑道で大量の水酸化鉄を取り込みます。強酸性の水は周囲の岩肌を黄金色に染め上げます。滝から海に向かって流れる酸性の川はますます鮮やかな黄金色を帯びて行きます。

 

 

 陰陽海

 

 黄金瀑布から流れ出た川は、水湳洞で海に注ぎ出ます。強酸性の水は海をも黄色く染めます。海が二色に染め分けられていることから、この界隈の海は「陰陽海」と呼ばれています。

 

 

 十三層遺跡

 

 陰陽海から後ろを振り向くと、そこには天空の城がそびえたっています。十三層遺跡と呼ばれる水湳洞選鉱・製錬所跡です。日本統治時代の1933年に建てられ、金の採取・選別・冶金・精錬を一手に担っていたそうです。

 

十三層遺跡。

 

 

九份で暮らす

 

 わたしは旅先で、同じ道を何度も歩くのが好きです。同じ道を何度も歩くと、そこに暮らしているような気分になれるからです。

 

 九份は狭く、半日もあれば歩き尽せますが、同じところを毎日行ったり来たりしたかったので、九份に宿をとりました。

 

 九份はイア(ギリシャ・サントリーニ島の小村)に似たところがあります。イアのアジア版のような感じ。丘にへばりついた狭いエリアに地域性溢れる建物がひしめき、圧倒的な人気を誇る観光地なのに、そこに宿をとる人は少ないところがよく似ています。

 

 日中は押すな押すなの大混雑だった九份が夜になり、静まりかえった路地を歩いていると、本当にこの町の住民になったような気がしました。

 

 九份の宿

 

 九份で泊った宿は、A-HOMEというところです。5泊しました。

 

おばあさまから相続した古い家をオーナーご夫妻が手ずからリノベーションした宿。

 

台湾っぽいファブリック、レトロな窓がわたしの好みにジャストミート。

 

朝食。窓際で外を眺めながら食べるもよし。

 

火鉢の傍らでオーナーさんとおしゃべりしながら食べるもよし。

 

朝食は毎日違います。

 

木炭が発する柔らかい熱。

 

コーヒーはサイフォンで淹れてくれます。

 

時折にゃんこが梯子を駆けのぼっていきます。

 

 九份の日課

 

 旅先では日課を作るようにしています。日課を作ると、短い滞在でも不思議とそこに住んでいるような気分になれるからです。

  九份でのデイリー・ルーチンは芋圓を買うこと。宿のすぐそばに阿柑姨芋圓があったので、滞在中毎日通い、宿に持って帰って食べました。お店の方々にすっかり顔を覚えられ、「また明日」と挨拶を交わす仲になりました。最終日にはお店の人がみんな奥から出てきて、「ありがとう」と言ってくれました。

 

言わずと知れた九份名物。ピーク時には長い行列が。

 

「温かいの」と「冷たいの」から選べます。これは「冷たいの」。下に氷が敷いてあります。冬なので主に「温かいの」を食べましたが、写真映えは「冷たいの」のほうがします。

 

 

今回のコーデ

 

  台湾に持って行った服4コーデ目。金瓜石にも着て行きました。

 

 ハイネックカットソー:GU(リブレースハイネックスタイルヒート)
 ブラウス:ノーブランド

 スカート:ノーブランド

 靴:GU

 バッグ:Lesportsac

【色番】P264 ハッピーデイジー(Happy Daisy)

【型番】7520 クラシックホーボー(Classic Hobo)

 

このブラウスは7年くらい着ているもの。でも写真に残っていないので、今回の旅行で着て写真を撮りました。