昨年12月、夫婦で一週間の台湾旅行へ行きました。
旅行のきっかけ
HISのブラックフライデーセールで格安チケット(往復2万3000円)を見つけたのが旅行のきっかけです。ワーナーブラザーズスタジオの予約を入れた直後、そのまま夫とお茶を飲みながらスマホをいじっていたら見つけてしまい、勢いで購入しました^^;
台湾へ行くのは初めて。近いからいつでもいかれると思い、後回しにしていました。でも最近の国際情勢を見るにつけ、この先、台湾に行かれなくなる可能性が絶対ないとは言い切れない気がして、今回とりあえず一度行っておこうと思ったのです。
平渓線・各駅停車の旅
あまり大きく移動しないのが我が家の旅のスタイル。今回も台中、台南には足を延ばさず、九份に宿を取り、北部の平渓線沿線周辺を毎日ウロウロして終わりました。
具体的に言うと、九份周辺と九份の最寄り駅・瑞芳、その隣駅で世界6大猫スポットの一つである猴硐、そのまた隣の秘境駅・三貂嶺、その二つ先で天燈上げで有名な十分周辺などを巡りました。
これから数回に分け、場所ごとに綴っていこうと思います。
十分
今回は十分について。
十分は台湾へ行く日本人観光客のほとんどが訪れる人気観光スポットです。九份と並び称されますが、どちらも「数字+フン」という名前なのはたまたまで、他に八分や七份があったりはしません。
「九份」につられて「十份」、「十分」につられて「九分」と書いてあるブログやYouTube動画が沢山ありますが、正しくは「九份」と「十分」です。
平渓線と十分老街
十分老街は平渓線の十分駅から続く商店街で、平渓線に沿ってたくさんの店が立ち並ぶエリアです。商店街の道幅は狭く、平渓線は単線なので、人々のすぐ近くをスレスレに電車が通っていきます。
このレトロな単線の風情と、沿線に観光名所が多いこと、首都圏からのアクセスが良いことなど、神奈川県の江ノ電(江の島電鉄)と共通点が多いことから、平渓線と江ノ電は友好鉄道協定を結んでいるそうです。
天燈上げ
十分は願い事や決意を書いたランタン(天燈)を空高く飛ばすアクティビティで有名です。年に一度の「平渓天燈節」というお祭りの日には何百というランタンを一斉に飛ばすそうですが、その日でなくても一年中、ランタンを飛ばすことができます。
わたしたちはオフシーズンの平日に行きましたが、それでも十分老街は大混雑。歩くのも大変なほどでした。
道を埋め尽くす人々。
次々と空に上がるランタンを眺めるだけでも楽しいですが、お手頃価格のアクティビティなので、自分でも飛ばしてみない手はないでしょう。
大きなランタンが、一切合切のサービスを含め、一つ200台湾ドルから。円安の現在でも日本円にして1000円くらい。
1色、4色、8色の3タイプあり、それぞれ1000円、1250円、1750円くらい。どこのお店で買ってもお値段は均一のようでした。
赤は健康運、黄色は金運・・・など色にはそれぞれ意味があり、ある程度組み合わせが選べます。
1色タイプ。色は8色から選べますが、赤(健康運)が圧倒的に人気。人間、健康でさえあれば、あとは努力で何とかなりますものね。
昼間の一番人気は4色タイプ。色の組み合わせは様々ですが、赤は大抵入っています。
華やかな全8色タイプ。
ランタンを買うと、願い事が書きやすいよう、お店の人がハンガーラックに掛けてくれます。裏と表の二面を書き上げると、残り二面にも書けるよう、掛け替えてくれます。
願い事は筆に墨で書きます。ランタンはシャラシャラの薄い紙ですが、墨で濡れても意外と破れません。
願い事を書き終えたら、線路の上に立ってランタンを飛ばします。カメラを渡すと、お店の人がその様子を写真やビデオに撮ってくれます。
現役の線路なので、30分に一度、電車が来ます。電車が来ると、線路上の人々は蜘蛛の子を散らすようにいなくなります。
電車が通り過ぎた途端、人々はまた線路の上に戻ってきます。
以下はわたしたちがお店の人に撮って頂いた写真です。iPhoneと一眼レフを預けたらそれぞれ、ポーズを変え、50枚以上も撮ってくれました! 特にiPhoneは、巧みに設定を変え、色鮮やかに撮ってくれました。
ランタンの内部。油紙を燃やし、内部の空気を温めて気圧を高めることで、外気圧とも差によって浮き上がります。気球と同じ原理です。
ランタンが空に舞い上がる瞬間。
動画も撮って頂きました。カメラのシャッターを切りながら、同時に動画も撮るという名人芸!
元の動画は縦長で全身が映っています。
ランタンを揚げ終わったところでちょうど電車が来たら、こんな写真も撮ってくださいました。
同じアクティビティでも、写真に残ると残らないでは大違い。きれいな写真をたくさん撮ってもらい、大満足でした。
でももしかしたら、わたしたちはたまたまいい人・いいお店に当たり、ラッキーだったのかもしれません。写真の腕前や枚数はお店によって違うと思うので、参考までに、お店とお店の方の写真を載せておきますね。これから十分でランタン上げをなさる方は、この方のお店を探してみてください。
夜のランタン揚げ
後日、夜に十分を訪れました。ランタン上げは夜も魅力的。夜空に映えるからか、昼間とは違い、赤一色のランタンが主流でした。
自分でランタンを揚げるなら、写真がきれいに撮れる昼間がオススメですが、夜空に映える赤いランタンも幻想的。昼間とはまた違った十分の風情が楽しめました。
ランタンの行く末
観光客が飛ばした大量のランタンは、どこへ飛んで行き、どこに着地するのでしょうか。
十分老街から30分ほど歩いたところに十分瀑布という名所があり、滝までの行き帰りの道すがら、ランタンの行く末を目にすることができました。
「台湾のナイアガラ」と呼ばれる十分瀑布。
半円形の形がナイアガラの滝を彷彿とさせます。
中の油紙が燃え尽きてくると、ランタンは浮力を失って徐々に高度を下げ、近くのエリアに着地します。
道や河川敷のそここちらに落下したランタンが。
落下したランタンは地元の人が見つけては、拾って纏めてゴミとして処理するようです。
なんらかの原因で、油紙が燃え尽きないうちに落下してしまったら、火事になるのでは?と心配になります。
十分の滝近くで見た煙。ランタンによるボヤでないと良いのですが・・・。
着火に失敗し、打ち上げる前に燃えてしまうことも。素材が薄い紙なので、勢いよく燃えます。
環境問題的な観点、山火事の危険性、線路に立ち入る危険性など、十分のランタン揚げはツッコミどころ満載です。これが日本ならとっくに規制がかかり、廃止されているでしょう。
でも危険だからダメ、環境に悪いからダメ、と言って切り捨てていくと、面白い伝統はどんどん失われてしまう。地域差が失われ、世界はどこも同じになってしまうでしょう。
世界に一か所くらい、こういう場所があっても良いと思うのです。なんとか工夫でリスクと折り合いをつけ、この伝統が続いていってほしいな、とわたし個人としては思いました。
十分国民小学校のフェンス。平渓線とランタンがこの町誇りであることが見てとれます。
今回のコーデ
いつもは服を2パターンしか持っていかないわたしですが、今回は台湾で着たい服が4セットあって絞り込めず、迷った末に全部持っていきました。
そのコーデの一つが、十分でも着たコレです↓
カットソー:Axes Femme
カーディガン:ノーブランド
スカート:ノーブランド
靴:GU
バッグ:Lesportsac
【色番】P264 ハッピーデイジー(Happy Daisy)
【型番】7520 クラシックホーボー(Classic Hobo)