5年前にレスポートサックの偽物について書きました。

 

 

 けれども模造品は年々巧妙さを増し、5年前と今とでは状況がまるで違います。なので現在の状況に基づき書き直すことにしました。

 

 わたしはただのファンで、関係者でも何でもないので、裏情報などは知るはずもありませんが、少しでも参考になることがあれば幸いです。

 

巧妙化したコピー

 

 昔からレスポートサックの偽物は出回っていましたが、3、4年前までは、見分け方のコツさえ知っていれば、比較的簡単に偽物と本物の見分けがつきました。

 

 裏地に柄を入れてみたり、ファスナーをレインボーカラーにしたりといった改良(?)が加えられていることが多かったからです。模造品というよりはパロディに近い偽物が多かったです。

 

 模様の色が一色だけズレていたり、模様が滲んでいたりと粗悪な模造品もありました。柄物の肩紐やチャームが偽造できず、代用品を使っているケースもままありました。リサイクルショップの店頭で実物を見ればもちろんのこと、フリマサイトで写真だけ見ても偽物と分かることが多々ありました。

 

昔のコピー。

ツッコミどころが多く、今から思えば可愛いものでした。

 

 けれどもここ2、3年、偽物の精度が上がり、今では事実上、写真で偽物かどうかを判断するのはほとんど不可能になってきました。見分けられるほうがレアケースです。

 

 最近のコピーは、商品タグまでも正確にコピーし、まことしやかなタグがいくつもついてくるので、タグで判断することもできなくなりました。

 

 

偽物が横行している柄

 

 そんな中、わたしが個人的に講じている自衛措置は、偽物が横行している柄は、信頼できるルートでしか買わないことです。

 

 「偽物が横行している柄」とは具体的に以下の二つです。

 

1.フリマサイトやオークションで良く見かける柄

2.中国の通販サイトで流通している柄

 

 特に狙われやすいのは新柄です。新柄がコピーされるスピードは年々上がっており、最近ではレスポートサックジャパンで発売された1か月後にはもうフリマサイトに並びます。

 

 特にコラボ柄は、たいていコピーが出回ります。ディズニー、トトロ、ピーターラビット、スヌーピー、ポケモン、キティ、ピンンクハウス、レゾリヴァード、クレヨラ、ファミリア、ひとりっぷ・・・。

 

 新柄だけでなく、過去柄にさかのぼってコピーされる場合もあり、「ちょっと前の柄だから安心」とは言えません。たとえばピーターラビットのコラボは今回が4回目ですが、昨年3回目のコラボのコピーが出回った直後、1回目と2回目のコピーも突然出回り始めました。

 

突然よみがえった5年前の柄。

5年前にはなかった形もあったりします(笑)

 

 また「コラボでなければ安心」とも言えません。最近で言えばパフィーブロッサム。コラボではありませんが、状況から見て、まがいものが出回っていると思われます。

 

 

 とはいえ、2020年までに発売された柄で、コラボではない柄は精巧な偽物が少なく、不自然なほどたくさん流通していない柄の場合は、中古で買っても偽物リスクは比較的低いと思われます。

 

仕入れ元

 

 フリマサイトやオークションで限りなくグレーなレスポートサックを販売している出品者は一体どこから商品を仕入れるのでしょうか。

 

 それは中国の通販市場です。具体的には淘宝やアリエクスプレスなど。どちらも中国の通販大手アリババが運営しているオンライン市場で、淘宝(タオバオ)は中国国内向け、Ali express(アリエクスプレス)は海外の一般顧客向けという違いがあります。

 

 淘宝のほうが安いのですが、中国国内にしか発送しないので、中国に協力者がいないと入手は難しい。Ali expressの方は元々海外輸出向けなので敷居が低く、小口の出品者はたいていAli expressで仕入れていると思われます。最近やけにこの柄がフリマサイトで出回ってるなあ、と思ってAli expressをチェックすると、案の定、見つかります。写真まで同じこともあります。

 

 いずれのサイトも簡単に出店できるのか、雨後の筍のごとく、しょっちゅう新しい店が現れては消えます。

 

 販売価格は店によりますが、Ali expressの場合、例えば中型のバッグ一つにつき、2000円台くらいです。淘宝ではもっと安いものが見つかります。

 

デラエブが2320円。38柄のご用意がございまーす。

 

一つ偽なら全部偽

 

 「中国通販で仕入れ、日本のフリマサイトで売買されているのは本当にまがい物なのか。平行輸入品なのでは?」という見方もあると思います。わたし自身、そう思った時期もあります。買い逃した柄があって、そう信じたかったのです。たとえ闇ルートや工場の横流しだったとしても、工場の検品にひっかかったB品だったとしても、正規の工場で作られた本物ならば欲しいと思い詰めていました。

 

 でも、わたしが欲しい柄と同等に扱われている商品の中には偽物だとはっきり分かるものがあって、「一部は偽物、一部は本物」ということはないだろうと思い、諦めました。以来、一つでも偽物を売る店は、全部偽物と思い、そういう店・出品者からは買わないことにしています。

 

 

安全な入手経路

 

 では、どんなルートなら確実に正規品(ホンモノ)が買えるでしょうか。

 

 まずレスポートサックジャパンの直営店やデパート、丸井、公式通販。これは100%安全ですね。

 

 ただ、レスポートサックジャパンが取り扱わない柄もあるので、そうした商品が欲しい場合は、並行輸入品を買うしかありません。そのとき、最初に信用するのが、楽天市場、ヤフーショッピングなどに出店しているネットショップで、長く並行輸入を続けているお店です。あと、実店舗があるお店。特に自分が以前から利用している店はひとまず信用することにしています。それでもレスポジャパンに比べるとリスクはあるわけで、毎度ドキドキします。

 

 分かりにくいのがAmazonです。販売元がAmazonの場合は信用することにしていますが、販売元がAmazon以外の場合出荷元がAmazonでも要注意です。マーケットプレイスでは明らかな偽物も見ます。同じページにAmazonの販売とマーケットプレイスが混在している場合もあるので、Amazonの場合は細心の注意が必要です。

 

 フリマサイトやオークションで中国通販と同じものを売る出品者は、わたしは一切信用しません。評価が100%良くても、信じません。

 

 中古店の場合、「鑑定済」となっていても、その鑑定は信じません。以前、超大手の中古ブランド屋が、ムック本の付録を正規のレスポートサックとして扱っていました。一目で分かる偽物が正規品として売られていたこともあります。どうなることかと生温かくウォッチしていたら(笑)、さすがに数日で削除されました。おそらく顧客が通報したのでしょう。「鑑定」ってその程度のものなんですね。

 

 フリマやオークションの断捨離目的で中古を売る一般出品者も、正直微妙です。入手経路が不明だからです。10年前の柄なのに「2年前に買いました」、明らかに偽物なのに「正規店で買いました」と書いている場合もあり、意外と世の中嘘つきが多いなあという印象です。

 

 以前は買い逃した柄があっても、あとから入手できましたが、最近は、偽物が横行した柄は基本、公式で買い逃したら諦めるしかないと思っています。

 

 

偽物の見分け方

 

 「写真で偽物かどうかを判断するのはほとんど不可能」と最初に書きましたが、偽物と分かる場合もあります。

 

1.ありえない柄と形のカップリング

 

 例えば、大中小がリングで繋がった三連ポーチをよく見かけます。この形自体は確かに正規品にもありますが、たまにしか発売されません。日本限定柄でこの形を扱っていたら、すぐに偽物ショップと見分けがつく、分かりやすいマーカーです。

 

 笑っちゃうのがファミリア。ファミリアアップリケ付きのクラシックホーボーを見たときには思わず吹きました。

 

三連ポーチ。

 

 

 

2.生地の取り方が違う

 

 底や側面などで、正規品なら絶対タテに生地を取るところをヨコに裁断していたりする場合があります。合っている場合もあるので、たぶん贋作の製作者は目立たない部分だからと、生地の向きを気にしていないのでしょう。でも販売者は気づいているのか、側面や底の写真を絶対に載せない業者もいます。

 

参考記事;

 

 

3.大トトロの数が多い

 

 2021年のトトロ柄、正規品は大トトロの数が少なく、柄出の当たりはずれがあるのですが、偽物は柄を組み替え大トトロが増量されているので、どこをとっても柄出が良い(笑) これも一種の改良(?)といったらいいのかな。わたしにとっては、これが並行輸入品などではなく、贋作であることを確信する決定打となりました。

 

奇跡の柄出と思ったら・・・。
正規品の生地には大トトロがこんなに密集している箇所はないです。

 

詳しい違いは以下の記事をご参照ください。

 

4.独自の商品開発

 

 偽物メーカーは、オリジナルのレスポートサックにはない柄を独自開発(?)することも。

 

 Lesportsac×マイメロディコラボ。

ポーチからバッグから一通り形が揃っています。

海外の公式でも扱いがないので、偽物業者の独自開発商品である可能性が高いです。

 

 独自に開発した柄であれ、レスポートサックのロゴを無断でつけている時点で、違法です。

 

 

偽物でもいい?

 

 実は「見た目が同じなら、なぜ正規品にこだわるのか。偽物でもいいのではないか」と自問自答したことがあります。

 

 でも結果的には正規品にこだわることにしました。

 

 理由は以下のとおりです。

 

1.性能まで同じとは限らない

 

 見た目が同じでも、耐久性などが違う可能性があります。2008年以降のレスポートサックは、表地と裏地との間に薄い不織布が挟まっています。この不織布のおかげで、最近のレスポは、古くなっても、以前のようにベタついたり悪臭がすることがなくなったのです。でも偽物が耐久性にまで気を遣ってくれるでしょうか?

 

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裏地と表地の間の不織布

 

2.不要になっても売却できない

 

 偽物の所有はギリセーフですが、販売は違法です。ということは、不要になってもフリマサイトやリサイクルショップで売却できません。不正に取引をすれば逮捕、運よく逮捕を免れたとしても、アカウントを削除され、以後そのフリマサイトでは売買できなくなってしまうかもしれません。リサイクルショップに売る場合も同様です。出入り禁止になってしまうかも。

 

 

3.分かる人には分かる

 

 自分には同じに見えても、もっと目の肥えた人が見たら一瞬にして偽物だと分かってしまうかもしれません。わたしは「自分が気に入っていれば、人にどう思われようと構わない」と思えるほど我が道を行くタイプではないので、どうしても人の目が気になってしまい、そのバッグは結局使えないのではないかと思います。使えなかったら持っていても意味がないですよね。

 

 そんなわけで、正規品にこだわることにしました。

 

 参考になれば幸いです。