16日、『ノラガミ』27巻が発売されました。最終巻です。私は1巻を始めて見つけた時から、ずっと単行本で買い続けてきたので、連載が終わったと知ってからずっとこの発売を待っていました。2011年の1月号から連載は始まり、今年の2月号で終わりました。それにしても、アニメの海外での人気は知っていましたが、全世界累計800万部超とは驚きました。

思わず、USサイトも見てしまいました↓

 

そのアニメも16日から期間限定で無料配信されています。 

 

アニメは2期作られ、ゲーム化や舞台化もされており、その人気がよくわかります。アニメ版は漫画が終わっていなかったため、漫画版とは違う形で終わっています。

 

物語は、社を持たない無名な神である夜刀(やと)が、神器を使って禍(あやかし)を祓う(戦う)物語ですが、そこに禍をあやつる術師がからみ、神々を巻き込む壮大な物語となっていきます。その神々は日本の神々であり、物語の展開の背景には日本神話がそのベースにあります。そして、神器となるのはまだ生きたいのに亡くなった死人であることから、人間の業と神々の存在が深く結びついていることがわかるような展開となっていて、途中からどういう物語となるのか?と思っていました。特に、後半に向けて神様同士の戦いにまでなったことから、どういう物語になってしまうのか心配になっていたのですが、結局は日本の神様の本質の物語となっていて、まさしく神なストーリーとなって完結しました。それを象徴しているのがこの最終巻に出てくる「救えるのは自分しかいない」という言葉。これ、日本の神様の本質です。例えば神社で祈るとき、それは自分に誓うときだ、といいます。つまり、神社ではお願いするのではなく、自分に誓い、あるいは予祝する場所だからだと。つまり、神様に祈るとき、それは自分自身に対して激励しているのです。それは、脳の働きからも明らかです。脳は、自分と他人を区別できないので、人に言ったことでも、自分に言ったものと判断してしまうのです。つまり、神に祈った時、その神は自分自身なのです。だからこそ、悪口を言えばそれは自分に返ってくるから言ってはならないのです。誰かに言った言葉も、自分に言った言葉と脳が判断してしまうからです。また、神様が人の祈りから生まれることが、その存在を左右することもこの物語のキーポイントとなっています。

 

この物語の中で、神も迷いますが、自分を信じ戦い変わっていきます。それは絶対神ではなく、日本神話の中で失敗したり、問題を起こしたりする神と同じ。また自然神でもある日本の神は、荒ぶれば人間などひとたまりもありません。そうした面も『ノラガミ』では全て含まれた展開となっていて違和感がありませんでした。まさしく日本的な物語展開といえるのですが、そうした物語が今全世界でも読まれているのは、以前も書きましたが、日本の歴史と古典の力という文化の奥深さのおかげであると思います。

 

神様が登場する漫画を好んで読んでいますが、祓いを戦いの形にしたことが、きっと海外ではわかりやすく人気のあった理由だと思います。その物語が13年続いた後、きれいに完結を迎えたことは、オンタイムで読み続けた身としては嬉しい限りで、満足のいくラストでした。

 

 

 

翻訳ブログでは、定期的に海外でいかに漫画に人気があるかが話題になっています

 

漫画だけでなく日本文学の翻訳も人気

 

ノラガミは登場しませんが、日本のアニメ人気について以下の動画チャンネルで語られています。

 

 

 

 

 

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