本日は立春。暦上、本日から季節は春となります。

 

こちらには来年の暦要綱の発表もあります↓

 

日本では古来から暦の上での春が二度来ることがありました。


立春は、昼夜の長さを基準にしてます。冬至(昼が一番短い)と春分(昼夜の長さが同じ)の真ん中の日が立春。そして、立春から立夏の前日までが文字通り春。今年の立夏は5月5日です。つまりこれは二十四節気の春です。二十四節気は太陽の1年周期を24等分した太陽暦の暦日です。昔の暦は太陽太陰暦といいましたが、月の暦である太陰暦と太陽の暦である二十四節気を組み合わせていたからなんですね。これは農業を営む上でも重要であったからできた暦であるともいえます。だからこそ今でもこうした暦が生かされていますし、自然の営みを見る上でも、この暦は欠かせないわけです。

私はいつの頃からか肌寒い日がなくなる日のめどを五月の連休に置いていたのですが、あらためてこうした暦を知った時、なるほど!と思ったものです。地方により、その基準も変わってくるかとは思いますが、二十四節気は覚えておくといいと思います。


1月20日から昨日まで大寒でしたが、その大寒のラストの昨日が節分、豆まきです。穢れを祓うみそぎです。つまりこれが大晦日で歳神様に来ていただく前に悪いものを祓うという行事です。

 

そして立春の今日の天気は、低気圧が南から東に進んでいて、お昼ぐらいまで天気の悪いところが多いようですし、北陸や北海道では雪もみられますし、明日は東海と関東にも雪が降る予報が出ていて、まだまだ真冬の天気模様です。

 

 

24節気は立春から始まります。旧暦の元旦はこの立春前後、ということは立春と旧暦の元旦が重なる日もあります。 これは朔日立春といい、非常に縁起のいい日とされています。が!残念ながら次の朔日立春は2038年、まだまだ先の話となります。


つまり昔の人は二度の新年を迎え、何度も穢れを祓ったという事を新暦の後も続けているということ。機会が有るたびに、祓う。祓いに始まり祓いに終わる、何度でも穢れを祓うというのが神道的生活だから、祓う機会を増やしても違和感がなかったのだと思います。

 

つまり、古来暦の上で二度春が来ましたが、新暦の現在は三度春が来るということです。旧暦正月が今年は2月10日となりますので、本日は暦の上で二度目、10日が三度めの春となります。

 

そして新春の初詣にあたるのが恵方参りです。これはその年の恵方にある社寺にお参りすることをいいます。

 

 

恵方参りは本日できなくても、立春の時期内に行うのであれば、18日までとなります。その間には初午祭もありますので、初午の日にお参りするのであれば恵方の方角のお稲荷さんもいいのではないでしょうか。

 

 

春というのは、希望に満ちた名前ですが、旧暦の1月朔日(1日)は春節といいます。新しい年の初めは春なんです。だからこそ、一月の和名には春のつく名前が多くあります。昔は何故真冬なのに春なんだろう?と思ったのですが、旧暦や二十四節気を知ると、多少なりとも春を体感できる時期となりますので、ああだからなんだ、と理解しやすくなります。

 

初春月(はつはるづき)
孟春(もうしゅん)
新春(しんしゅん)
上春(じょうしゅん)
初春(しょしゅん)
子春(ししゅん)
開春(かいしゅん)
王春(おうしゅん)
献春(けんしゅん)

 

この他の名前にも春を連想させるものが多くあり、人々がいかに春を待ち望み喜んだかがわかります。名まえで春を言祝いでいたわけです。

 

またよく聞く睦月(むつき)は、万葉集にも表記された言葉です。万葉集では、武都紀、または牟都奇、と表記された「むつき」です。最初の頃の漢字はそれこそ当て字ですから意味とは一致していませんが、「むつき」が古くからの言葉の1月だということがよくわかります。


「むつき」とは「むつびずきの訛り」、だから睦の字を当てたといいます。年の始めに人々が仲良く行き来し、むつまじくする時期だからです。


しかしもちろん他にも説はあり、「む」は物の初めを意味する言葉、うむつき(生月)の略、稲の実を初めて水に浸す月(実月)の意味、孟(初の意味)の呉音、等々ともいいます。「む」一文字でも深いのが我が国の言葉です。

 

ちなみに睦月系だけでもこれだけあります。

 

睦月(むつき)
睦び月(むつびづき)
睦びの月(むつびのつき)
睦まし月(むつましづき)
実月(むつき)
孟月(むつき)

 

こうした言葉を知ると、名前から誕生日がわかりやすくなります。私は子供の頃、母の名前がなんでこういう名前なんだろう?とずっと思っていました。母は五人姉妹で統一感のない名前がつけられているのですが、その中でも母の名前は特に聞きなじみのない名前だからです。夏にうまれたからだよ、と言われた覚えがあるのですが、夏だからなんで?と思っていたのです。そうしたら母の名前は夏を表す言葉だったということを和暦の本で初めて知って、やっと理解できました。言葉の意味を知るということはこういうことなんだ、と思ったものです。そしてそう知った時に、その五人姉妹の中で一番考えられ命名されたであろうその名前に、長女だからだろうと考えたものです。

 

古くからの行事や暦の変わり目には、ご両親や祖父母、あるいは周りにいる年上の方、年配者に、あるいは違う場所で生まれ育った人達に、昔やった行事について聞いてみたり、昔の寒さや、あるいは異なる場所の行事や寒さなどを聞いてみると面白いかと思います。今との違いや、場所による違い、あるいはもちろん共通項も聴けるかと思います。また、名前の由来を聞いてみるのもいいでしょう。季節の行事はこうした会話が相応しい時期だと思います。なんといっても、「むつまじく」する月ですから。そうすることで、日本のしきたりや季節感の共有が世代や地域を超えて出来る時期となります。

 

私が和暦に興味を持ったきっかけ本。月の和名はここからの引用がほとんどです。

 

 

そして、立春といえば朝搾り。立春朝絞りは、その字の通り立春の朝に絞られたお酒。近隣の出来立てのお酒を味わうのにいい時ではないでしょうか。

この時期は酒造りの時期です。美味しいお酒はこの寒い時期に作られる。立春朝絞りはそんなことから、発祥した酒蔵のイベントです。ここのところ、毎年早朝のツィッターは賑やかになります。酒飲みたちが、朝からザワザワする立春です。

 

 

えっ、そうだったんだ~。地元ではめでたい席では必ず開華を見てきた覚えがあるお酒。

終了済の動画ライブを見ることができます↓

 

 

日本酒といえば舟歌、八代亜紀さんの歌好きだったんです。

 

 

 

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