暦の本を読むと立春までは新年ではなく、九星盤も去年のものをあてはめます。つまり、立春、今年は2月4日までは、まだ辰(たつ)年にはなっていません。あっという間に今日で1月は終わってしまいますが、まだ年は越えてないわけです。


そうして考えると、日本では暦の上で3回新春があることになります。西暦の元旦と旧暦の元旦、そして二十四節季での立春です。そして、この立春と旧暦の新春が重なることもあってその時は特別な日となります。旧暦も二十四節季も元々は大陸から伝わったものですが、二十四節季は季節区分法だそうで太陽の位置に密接に結びついています。

 

二十四節季を知らない、という方でも知っているのが、春分と秋分の日、そして夏至と冬至でしょう。この日の太陽の通り道にパワースポットがあることが多いことから、日本はもちろん世界中にレイラインがありますから、古代から世界中の人がこうした太陽の位置に注目していたことがわかります。この二十四節季をさらに3つに分けたのが七十二候で、気象の移り変わりや動植物の変化を知らせる名前がついています。

 

二十四節季七十二候は、気候と結びついていますから農業他気候に関連する仕事をしている人たちが今でも参考にしている暦であり、利用されているわけです。この、二十四節季七十二候を知ってから、なにかのおりにああなるほど!と思うことがよくあります。私も今だに深くは知らないのですが、こういう暦があることを普段から目に付くようにしておくと、普段は自然に接しない生活をしていても季節感が養われていくのではないでしょうか。

 

さて、もうすぐ立春になり、いよいよ辰年となるわけですが、皆さんご存じの通り十二支では5年目の年となります。

 

十二支ができた昔話は子供の時に一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。こんなお話です。

 

神様が年末に13種類の動物を呼び集め、1月1日に私のところに来た順番で1年の大将になる順番を決めましょうと言われます。そこで動物たちは当然1番を目指そうとしますが、その話を聞きそびれたのが猫です。しかも1番になりたかったねずみは、猫には1日遅れの日を教えます。だから猫は大将になることができず、干支にはいません。そのため猫は今でも怒っていて、ねずみを見かけると追いかけまわします。そんな中、牛は自分の足が遅いからと、皆よりも早い前日の夕方出発しました。それを知ったねずみはこっそり牛の背中に隠れました。そして牛が到着する直前に牛の背中から前に飛び降りて、まんまと1着になり、十二支の始まりは子(ねずみ)年となりました。

 

元々は十二支は大陸から伝わったもので、『漢書』の中で月や時間・方位や天体等を表すときに使われています。「辰」は「振」に通じ、震に通じる。いかなる事変が起こっても、理想に向かって辛抱強く、かつ慎重に、いろいろな抵抗や妨害に恐怖狼狽せず、守るべきことを守って事を処する時です。

 

それから十干の「甲」はよろい。よろいをつけた草木の芽が、その殻を破って少し頭を出したという象形文字。新しい生命力の新たなる創造・開発の時。旧体制が破れて、革新の時が始まる年だともいいます。

 

さらに今年は三碧木星が中宮にある年ですが、三碧木星は電気が振るい出る雷と、地中から草木が芽を出す様子をあらわしています。雷鳴は激しく鳴り響き遠くまで聞こえます。そして草木の芽は若々しく活気に充ち溢れぐんぐん伸びていきます。三碧木星は九精気の中で一番活動的で若々しい精気ですが、ここ最近の世界の停滞が今年はどんどん変わっていく年なのかもしれません。

 

参照:『遁甲盤入り手帳2024』

『九星方位気学の本』

 

その干支が始まるのが立春の日であり、その前日が節分となります。つまり今年は2月4日が立春ですから、節分は2月3日となります。節分の日には豆まき、神社やお寺では追儺式が行われます。

 

今年は本格的に復活となっているようです。土曜日でもありますし、各地で盛り上がりそうです。

 

日本一有名な吉田神社↓

東京で有名な増上寺

Xの一部↓

 

 

 

 

 

黒豆!なんか強そう!

 

 

 

そうして、立春になってから吉方位にお参りするのが恵方参りです。今年は、節分が土曜なので、翌日の立春が日曜日となって、土日休みの人には行事を行いやすい年となっています。

 

そして、2月の初めての午の日、初午は12日です。恵方参りが終わっていなければ、恵方の位置にあるお稲荷さんにお参りするのもいいかもしれません。

 

これは全国の稲荷社の本社である伏見稲荷大社に宇迦之御魂(うかのみたま)の神が降りた日が和銅四年二月十一日の初午だったことから、稲荷様へ詣でるお祭りの日となっています。とはいえ、元々はこれは旧暦の2月の事ですが、現在新暦で初午をやるところ、旧暦でやるところ、新・旧両方やる所等神社によって様々です。

 

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伏見大社のHPには、以前以下のように書かれていました。今はもっと詳しく書かれていますので、詳細を知りたい方は上記のHPでご確認ください。

当社の起源については「山城国風土記」の逸文に《秦中家ノ忌寸等の遠祖、伊呂具秦公の的にして射た餅が白鳥と化して飛び翔けり、その留った山の峰に“稲”が生じた奇瑞によって、イナリという社名になった》とあり、また「神祗官勘文」や「年中行事秘抄」などに引く「稲荷社禰宜祝等甲状」には《この神は、和銅年中、初めて伊奈利三ヶ峰の平処に顕坐してより、秦氏人等が禰宜・祝として春秋の祭りに仕えた》とあります。
さらに社記(十五箇條口授伝之和解)には《元明天皇の和銅4年2月壬午の日に、深草の長者“伊呂具秦ノ公”が勅命をこうむって、三柱の神を伊奈利山の三ヶ峰に祀ったのにはじまり、その年は五穀が大いにみのり、蚕織なって天下の百姓は豊かな福を得た》と伝えています。
このように、ここ深草の里は秦氏とは極めて深いかかわりをもち、御鎮座は和銅4年(711)2月初午の日と伝承されてきました。しかし、信仰の起源は、これよりも更に古くさかのぼると考えられています。

 

現在の暦は新暦です。以前は旧暦で行われていた初午行事も現在は上記したように新暦で行われているところが多いです。お近くのお稲荷さんの初午の日がどちらか、是非確認してみてください。ちなみに今年の旧暦での初午は3月19日となりますが、単純に1ヶ月ずらした午の日を旧初午としているところもあります。また、場所によっては2月11日が初午のところもあります。
 
稲荷様系ではない神社の境内やお寺の境内にもお稲荷様がいらっしゃることは多いです。


稲荷の大神様は、生命の根源を司る「いのち」の根の神であり、古くから農業の守護神、商業、工業、殖産興業、交通安全、厄除、火防の神、と万能神として屋敷神ともなり広く崇敬されてきました。日本全国にお稲荷様がいますから、ご近所にお稲荷神社がきっとあるかと思います。農業神でもあるお稲荷様ですから、農作業が盛んな所は今でも初午は旧暦で行われているかと思います。というのも豊作を祈るお祭りでもあるから季節的には農作業が始まる旧暦の時期があうのです。とはいえ暖かい地方では新暦の方が時期があうでしょう。
 
初午神事は、瑞穂の国である我国の「事始め」「仕事始め」の日として大切にされてきました。この時期は厳冬から春への移り変わりの季節。陽気は一段と盛んになり、草木を始め万物の活動が目に見えて目立ち始める時期、そんな2月の最初の午の日が初午の日に当たるわけです。
 
古来より初午の頃から農家では五穀を始めさまざまな種を用意して、農作業が始められています。一陽来復と全てのものの蘇り、そして作物の豊饒を願う神事が初午祭です。

 

「午」は動物の馬に通じ、馬は神の最も愛寵されたものとして、人々は馬を通じて神の霊威を感じ、午の日を神聖な日と考えるようになりました。方角では南、時間では昼の12時・正午を表し、陽気の盛んな事を示しています。

 

年穀の豊饒と商工業をはじめすべての物事が順調に育ち、発展する事を稲荷の大神様に祈願し、皇室の弥栄と国家と国民の安泰を祈る日です。皇室の弥栄とは、日本と日本人の弥栄です。

 

稲荷神社の始まりである伏見稲荷大社では2月12日の8時から初午大祭です。

 

伏見稲荷大社は清少納言が初午参りについて枕草子に書いていたことでも有名で、HPにも書かれています。初午大祭についてはこう書かれています。

稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった和銅4年2月の初午の日をしのび、大神の広大無辺なるご神威を仰ぎ奉るお祭で、2日前の辰の日に稲荷山の杉と椎の枝で作った“青山飾り”をご本殿以下摂末社に飾りこの日を迎える習わしがあります。
初午詣は、福詣とも呼ばれ、前日の巳の日から、ご社頭は参詣者で埋まり、京洛初春第一の祭事とされています。
また社頭で参拝者に授与されている「しるしの杉」は商売繁盛・家内安全の御符(しるし)として、古くから拝受する風習が盛んです。 

 

 

三大稲荷の一つの茨城県の笠間稲荷神社では、新暦の2月12日と、旧暦としての3月19日の両方の初午祭が行われています。とはいえ三代稲荷もいくつかのバージョンがあります。

 

こちらも三大稲荷の一つ。旧暦の3月が例大祭となっていますが、新暦での初午祭も行われています。

 

宮城県岩沼市稲荷町の竹駒神社では、初午大祭が3月19日から3月25日まで行われる予定ですが、これは東北であることから旧暦で盛大に行われているのでしょう。かつては100日間行われていたそうです。ただし、新暦の2月12日にも新初午祭の予定です。

 

 東京のお稲荷様で有名な一つ、王子稲荷では新暦の初午ですが、2月中の午の日に行われるため、二の午、年によっては三の午の日がある幸運な年もあります。今年は二の午が24日となります。ここでは火防の凧を買う凧市が有名です。私は以前この境内で買った見た目普通のお稲荷さんが今まで食べた中で一番美味しいと思ってます。

 

日本全国沢山のお稲荷さんがいらっしゃいますから、様々なお祭りがあるかと思います。

 

 

この初午、地元ではとても賑わっていていい雰囲気のお祭りです。お薦めは、しんこまんじゅう。でも日付が・・・たぶん週末に絡めて日付は決められているのでしょうが、それだけというのも悲しい。

 

お稲荷さんといったらお揚げ。

 

 

 

 

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