10月の別名は神無月ですが、これは10月に全国の神様が出雲に集まることから、出雲以外の地で神様がいない月、神無月と呼ばれるようになりました。一方で神様が集まる出雲では神在祭が行われる、神様が在(あ)る月として神在月と呼ばれたのです。

 

これは昔々のお話ではなく、今もこの神在祭は続いています、旧暦で。13日から旧暦10月となり、旧暦では全国では神無月、出雲では神在月となっています。

 

そして、旧暦10月10日となる11月22日から神迎神事が行われ翌日から神在祭となります。この日から日本全国の神様が集まる神議(かみはかり)の時期に入ります。神無月という名前は子供の頃から知っていましたが、大人になって神在月の存在を知った時、なるほどと思ったものです。

 

 

 

その神様をお迎えするお祭りである、神迎神事は旧暦10月10日19時から稲佐の浜で行われます。昨年までの数年は参列が規制されていましたが、今年からは規制が外された模様です。

 

神在月の神事の予定は以下の通りです。

 

神迎神事・神迎祭(旧暦10月10日):11月22日19時~

 

神在祭(旧暦10月11、15、17日):11月23、27、29日

 

縁結大祭(旧暦10月15、17日):11月27、29日

 

神等去出祭(旧暦10月17、26日):11月29日、12月8日

 

 

神議で相談すること、なんだかわかっちゃいましたね。全国の神様が集まって相談することは、縁結びです。人の営みで一番大切なことは「人と人との縁」、人間関係があらゆるものを左右しますから、縁というものが一番大切なことなんだということがわかります。

出雲大社のHPにはこう書かれています。

目には見えない「神事(かみごと)」を司られる「大国主大神」さまがお鎮りになります出雲大社にお集いになられ、人々の“しあわせ”の御縁を結ぶ会議「神議(かみはかり)」がなされる故事

 

盃に神の心をくみそえて

うながけります事な忘れそ

 

遙かな昔、大国主大神さまは国づくり・人づくりをなされ、数限りない私たちの祖先に、より良い暮らしをとのさまざまな業(わざ)をお教えになりました。そして、この国は天照大御神さまのご子孫が治められるようにと、国譲り(奉還)なさいました。 この時に、私たちの住んでいる目に見える顕事(あらわにごと)の世界は天照大御神さまが、 私たちが授かり生かされるイノチ・タマシイのことなど人智の及ばない目に見えない神事(かみごと)の世界は大国主大神さまが分担して治められることになりました。 以来、目に見えない神事(かみごと)の世界を主宰(しゅさい)される大国主大神さまは生きとし生けるものの幸栄(さきはえ)のために「むすび」の御霊力をお授けになっております。 その〝おはたらき〟により大国主大神さまがお鎮まりになられる出雲大社には、1年に1度全国の神々がお集いになり、さまざまな「縁結」のお話し合いをなされます。 この「縁結」とは男女の縁はもちろんですが、さまざまな人と人、人と物などのあらゆるつながりである「むすび」を意味しています。大国主大神さまを〝縁結の神さま〟 と申し上げるのも、神々の会議を主宰なさる神さまだからです。この神議(かみはかり)は旧暦10月に行われますので、古くより出雲では旧暦10月のことを「神在(かみあり)月」と呼んでおります。そこで、出雲大社では旧暦10月10日の夜に「神迎神事・神迎祭」、旧暦10月11日から17日までの1週間は「神在祭」を奉仕いたしております。

 

 

神議りが行われるのは、出雲大社だけではなく大社を中心に出雲の神社で行われています。

 

出雲大社は、神議りを主催される大国主命が祀られる神社です。大国主命は全国では古事記の国譲りで知られる神様です。

 

旧暦10月1日~10月10日に神在祭が行われ、ここに集まった神々は10月11日に出雲に向かうという

 

日御碕神社では、旧暦10月11日~10月17日にかけて神在祭が行われます

 

万九千神社(まんくせんじんじゃ)は、紙議りに集まられた神様が最後に集まり直会をされると伝わる神社で、神去りの御出立もここからされるという神社です。旧暦10月17日から10月26日までがお祭りの時期となっています

 

 

他に、神原神社、松江の佐太神社、売豆紀神社、神魂神社、多賀神社、でも神在祭にまつわる神事が行われ、その他にも石見地方でも多数の神社では神迎えの石見神楽が奉納されるといいます。

 

こうした祭りが各地で連綿と続けられ護られてきたのが日本という国です。

 

私は、一度だけこの神在祭の時期に出雲で神迎え神事の稲佐の浜にも行きましたが、独特な雰囲気があり感激したものです。また、出雲の神社の社殿は大社をはじめとして各地の社殿より大きいのが特徴で、神話などの伝承の内容ともあっていて、こういうことか、と感じ入ったものです。

 

 

機会があれば一度は体験してほしいお祭りの一つです。あの雰囲気は体験した人にしかわからない、そういうお祭りです。私もまた体験したいです。

 

ところで、今年の出雲大社の神在祭初日は、新嘗祭の日でもあります。これは新嘗祭が新暦で日付が固定されているために起きたことですが、出雲大社でも古伝新嘗祭が新暦11月23日19時から行われます。人が生きていく上で一番大切なのは、食べることができることと、人の縁です。古今東西変わることのない一番大切なものです。その大切なものをお祭りする日が重なる。世界中がこんな時期にこういうことが起きるというのは何か不思議力が働いているような気がしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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