慶長五年九月十五日(1600年10月21日)、美濃国不破群関ヶ原において野戦が行われました。本日は旧暦の9月15日、そして旧暦の十五日といえば満月ですが、本日5:24が満月です。

 

そして、今年の神嘗祭は既に終了していますが、この時期がとても重要です。つまり、関ケ原の戦いは稲刈りが終了してひと段落した後に行われているということがわかります。新暦の9月中旬では場所によっては稲刈も終わっていない時期。この時代のお米と現代のお米では成長具合が違うかもしれませんが、初穂を奉納する神嘗祭が旧暦の9月17日でしたから、今の時期であればだいたい稲刈りとその後の作業が終わっていた時期だったと考えられます。戦の時期は重要です。古来から日本での戦は、民を巻き込まないのが当たり前でした。そしてもちろん農作業にも影響を与えないことも重要な点でした。収穫に影響があってはならないからです。だから農作業に影響を与えない時期ということがポイントにあったのです。今ぐらいの時期であれば収穫は終わり、収穫後の作業も大仕事は減っていたから地侍も安心して戦に行けた時期ですし、戦地で収穫物が無駄にされることもない、誰もが納得した時期だったでしょう。

 

古来から日本の戦は、農事期を避けていたことを伝えて行くためにも、こうした歴史的事実を知る際の日付を知る際には旧暦の時期で考えることが重要です。というのも、そうすることによって、古来からの祖先の考え方を現代の私達も共有できるからです。私達の祖先は、食が何よりも大事であるという考え方を国(地域)が違っても共有してきた民族ですし、こういう戦に農民は巻き込まないという考え方も持っていました。そうしたことを考えれば、歴史観と季節感を養うためにも旧暦をきちんと知り伝えていくことも重要かと思います。戦の時期、半農の地侍は戦に参加しましたが、それ以外の農民は手弁当を持って戦見物をしたといいます。

 

そういう風に考えて行くと、ものの見方が変わってきませんか?現在の風景を見ても田んぼが多い関ケ原です。

 

 

それと旧暦で15日といえば満月ですが、新暦では例えば今年の9月15日は新月にあたりました。満月の日が関ヶ原の戦いの日であったのですから、やはり満月の日である旧暦の日の方がこの日を知るのに相応しいと思います。

 

旧暦では1日が新月、15日が満月と決まっていました。多少のずれがあったとしても、当時関ケ原の戦いの時が満月の前後であったことは間違いありません。

 

この満月というのは重要です。というのも満月と新月では夜の明るさが全く違うからです。現代では灯りが夜も煌々と照らされていますから、夜も明るいのが当たり前ですが、昔はそうではありませんでしたから、新月と満月の違いは大きかったのです。夜の影響まで考えた場合、満月か新月かは日付を決める場合の重要な指標だったはずです。そして、関ケ原の戦いの日付は満月の日だったから決まったといいます。結果としては半日で終結した関ケ原の戦いですが、夜になることまで見越して満月の時期に行われたのではないでしょうか。

 

例えば奇襲で有名な本能寺の変は、夜の暗い新月の晩に行われています。これも旧暦と月の関係を知った時に、なるほどと思った歴史上の事件の一つです。

 

ところで、日本の国内戦では壬申の乱と関ケ原の戦いが日本を二分した戦として有名です。しかも壬申の乱の戦場として関ケ原の地もあげられています。古代と戦国時代では状況が違っていますが、それでも日本を二分する戦いが同じ場所で行われたとは凄いことだと思いませんか?

 

さらに、合戦当時は南北朝時代の古戦場・「青野原」や「青野カ原」と書かれた文献もあるそうです。つまり、後醍醐天皇の時代、北畠顕家率いる南朝方と土岐頼遠率いる北朝方が戦い北畠顕家が勝利した青野ヶ原の戦いとは、今でいう関ヶ原で行われたものだったのです。

 

関ヶ原とは有名な三つの戦いが行われた古戦場であるわけです。

 

北畠顕家といえば後藤久美子さんの配役が印象的だった大河ドラマの「太平記」。顕家は若干20歳で戦死していますから、女性が演じても違和感ありませんでした。なおこの弓にあてはまるかどうかわかりませんが、以前弓道を習いに行ったとき(ほんの短期間)、引手は頬にあてて構えるよう教わりました。頬に掠るぐらいに近づけて構えます。ただこの弓は小さいようなので構えが違うのかもしれません。(それか掠って傷にならないように離しているのかも?)

 

ちなみにこの青野ヶ原の戦いは真冬に行われました。壬申の乱は、真夏に行われていますからいずれも農業の忙しい時期ではありません。また不破関の戦いといいますので、農地で行われたものではないと思います。

 

現在、大河ドラマで徳川家康が描かれており、この時代の様々なことに注目が集まっていますが、関ケ原の戦いが描かれる際には、ドラマでは描かれないであろうこうしたことにも注目してほしいと思います。

 

面白いテーマながら未だ積読・・・『壬申の乱と関ヶ原の戦い』

 

東京は明け方は雨でしたが、予報では今夜は晴れ。せっかくの満月の時、そのような歴史の彼方に思いを馳せたいと思います。また古来、日本では満月参りと新月参りが行われてきました。今でもその名残が、神社の一日参りと十五日参りに残っていますが、月とは関係ないものになっています。せっかくの日曜日、本日は満月参りもいいかもしれません。

 

石田三成が陣をはったという笹尾山からの日の出映像

 

 

 

春の満月の歌ですが↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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