来年の手帳が本屋に並ぶ時期です。毎年手帳をみていますが、日本という国としては異様であるとここ数年考えるようになったことがあります。

 

それは、手帳がほとんど横書きであり、左開きの始まりであることです。

 

先日大型書店で手帳コーナーができていて縦型手帳を探してみたのですが、やっと見つけた縦型は日記タイプの手帳でした。その帰り、近所の書店に置かれていたのが毎年新潮社で出しているマイブック。これはシンプルな一日一ページの白紙タイプのノートで、白紙タイプながら縦書き表記となっています。白紙だから、日記だろうが手帳だろうが使い方は自由自在です。

 

以前はなんとも思わなかったことが、色々と考えるようになっている今、とても気持ちが悪いです。日本は縦書き文化の国であるはずなのに、なぜ今これほど横書きが溢れてしまっているのでしょうか?横書きで工夫された手帳がたくさんあるのに、縦書きで工夫された手帳が白紙タイプ、あるいは日記タイプのものしかないなんておかしいと思いませんか?

 

そこにはパソコンの普及も大きな影響を与えています。私はパソコンがオフィスに普及し始めた時期を知っている世代ですが、最初はオフィスに数台あって、そうした機器を必要な人が交代して使っていたものだったのです。しかし、あっという間に一人一台へと普及し、パソコンがなければ仕事ができない状態となりました。そうした過程で、元々は横書き文化で作られた機能であるがために、縦書きに変換できない人が多かったため、それまでは縦書きが当たり前だった契約書類や通知書類がどんどん横書きに変えられて行ってしまったのです。

 

縦書きを使えないということがわかりやすいのが、動画で縦書きを検索するとエクセルやワード、パワポであるいはアイパッドでどうやって縦書きにするか、という動画がたくさんあることです。なにか縦書きについての動画がないか検索したら、こうした動画ばかり出てきました。つまり、標準が横書きとなっているため縦書きに変換する方法がわからないと、縦書きができないということなのです。やり方は、知ってしまうと簡単なのですが、そのやり方を知らなければ横書きをするしかないのです。

 

そしてこのブログとか、多くのホームページとかも基本横書きであるのはОSが横書き仕様であるためです。だから、読み進めるためには下にスクロールしていくようになっています。

 

本来であればこれだけITが普及している今、日本版ОSができて縦書きで横に流れるものができていてもおかしくないはずだといつも考えています。その方が、日本人にはもっともっと使いやすいはずなのです。わざわざ設定しなくても最初から縦書きのIT、登場することはあるのでしょうか。

 

日本版ОSができそうだった時もあったのですが、それは見事に妨害されています。それも日本が独立した国として機能していないことの表れだと考えています。

 

しかし日本は本来縦書き文化の国であり、文字も思考も実は縦書きに深く影響を受けているのです。そしてITが普及しているからこそ、手書きに関することは縦書きを意識して使用するべきだと思うのです。そもそもこれだけ横書きが普及しても、なぜ書籍などが未だに縦書きが多いのかを考えてみればわかりやすいかと思います。縦書きのほうが読みやすいからであるのが明白ではありませんか。そうしたことを打破し、日本の縦書き文化を破壊しようとしているのが教科書で、従来は理数系と英語や音楽の教科書だけが横書きであったのに、読み物系である他の教科書も横書きにして国語のみ縦書きという風に今変えられてきているといいます。思考力を伸ばすための教科書で日本人的な脳の使用方法を抑えようとしているとしか思えないこの動きは、阻止するべきことの一つではないでしょうか。日本的思考の無限の可能性を抑えようとしていることに、日本人自らが加担する必要はないでしょう。

 

そのためには、やはり世の中が本来の縦書きをもっと意識するようにしていくべきではないかと思います。

 

私は最近はノートも意識して縦書きを買うようにしています。なぜなら買うことは一番売る側へのアピール力があることだからです。以前は、横書きノートの向きを変えて使用したりしていましたが、本当はもっともっと縦書きのものが増えてしかるべきだと思うのです。

 

検索していたら出てきた、文具ライターの方。文具ライターが2014年にこう書いているのに、日本能率協会、いいのか?と。縦書きのほうが書きやすく、後からも読みやすいので縦書きにしていると書かれていて、横書き手帳も向きを変えて縦書きにして使用されています。

 

私は本を読んでいて考えたりしたことを、その本のカバーに書くことが多いのですが(そのためにも書店でしてもらうカバーは必要)、先日最初は表紙側に横書きで書き、裏表紙側に縦書きで書いたら、縦書きにした方があっという間に埋まってしまって、表側の空きスペースにも縦書きで書くことになりました。やはり思考も縦書きのほうが広がりやすいのを再認識しました。

 

日本語は縦書きでも横書きでも読める柔軟な文字です。だからこそ、横書きにもこれだけ対応してきました。しかしだからといって、本来の使用方法である縦書きをないがしろにしていいというわけではないでしょう。両方使用できるのに、縦書きで使用されてきたことには意味があるはずだからです。それは単純にいえば使いやすかったからでしょう。それを分析すると思考法や文字の成り立ちなどにたどり着くということですが、単純に使いやすい使い方をしていこうでもいいと思うのです。

 

これから年賀状の時期にも入っていきますが、年賀状ももちろん縦書き推奨です。たとえ売る側が横書きで提案していても、多くの人が縦書きに戻っていけば、縦書きの流れも戻ってくるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

美文字の観点から縦書きを薦めている動画。文字のつくりから理解しやすくなっています。

 

 

映画史を塗り替えた映画の新たな続編が話題となっていますが「マトリックス」において根底に流れる哲学には日本のアニメーションの影響も多くあることが知られており、その象徴が縦書きで流れてくる文字の雨です。そこにはカタカナ文字が含まれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🌸🐎🐎🐎🐎🐎🐎🐎🐎🐎