昨年の今日、江崎道朗氏が今最も聴くべき評論家だと書きましたが今もそうだと思っています。

29日、明治神宮で行われた「昭和の日をお祝いする集い」で江崎さんの講演があったのですが、短いながらもとても貴重な話でした。

 

以下の動画は全体の模様で江崎さんの講演はほんの少ししか出て来ないのですが、もし完全版の動画が出たら多くの方に聴いていただきたい内容です。

 

 

この講演で、江崎さんは終戦直前に 昭和天皇がいかに御聖断されたかについて話をされましたが、その後に話された御製の話がとても印象的でした。

 

この御製の話は、江崎さんが恩師の山田先生から聞いた話だそうですが、 明治天皇と 昭和天皇の御製から、明治と昭和の日本国民のあり方がいかに違ってしまったかがわかるというのです。

 

 

明治天皇の御製(明治45年)

たかどのの窓てふてふをあけさせて

四方の櫻のさかりをぞみる

 

明治天皇の御製からは、幕末・明治という激動の時代を経てさらに西欧列強に飲みこまれそうな時代を日清・日露で乗り切り列強と並ぶ御代になった喜びが「櫻のさかり」からみてとれます。つまりそういう御代になったということは明治時代の国民がいかに頑張ってその成果を出したかを意味しています。

 

では、昭和天皇はどのような御製を詠まれたのか?

 

昭和天皇の御製(昭和57年)

わが庭のそぞろ歩きも楽しからず

災い多き今の世を思へば

 

昭和天皇は先の大戦を御聖断で終了させてから37年も経た昭和57年になってもまだ、「災い多き」として「楽しからず」と詠まれているのです。山田先生は明治の国民と比べて昭和の国民は何をやっていたのだ、陛下にこのような御製を詠ませてしまって申し訳ないとおっしゃっていたそうです。

 

そして江崎さんはこのお話から、では 天皇陛下はこの御代をどう思われていらっしゃるのか?と考えた時に平成23年の明治神宮御鎮座九十年祭にあたり神宮からの願い出に応えられ 皇后陛下が 明治天皇の上記御製をお心にもたれて読まれた御歌は我々国民への問いかけではないかと感じられたそうなのです。

 

 窓という窓をひらきて四方の花

見さけ給ひし大御代の春

 

 

現在、皇室に関して色々とあげつらう人達が非常に多くいます。その中には保守と言われる人達も多くいます。 しかしそのようにあげつらうことは、言挙げせぬ国であるはずの日本の国柄とは思えません。

 

このような中、代替わりが行われることになりますから次の御代となる皇太子殿下や妃殿下、そして日本は大変です。

 

日本には民、つまり国民が皇室(日本)を支えるという伝統があるはずです。この伝統を我々が引継いでいけば日本の未来は盤石でしょう。しかしこの伝統を我々が引継がなければ、日本のこれからは危ういことになります。

 

皇室に対してあげつらう人達は「皇室がどうあるか?」ということを言っているけれども、そのあげつらっている人達自身はどうなんでしょう?すべきことを、国民としての責務を果たしているのでしょうか?そもそも「皇室が(人が)どうあるべきか?」ではなく、「我々国民(自分自身)がどうあるか?」が重要ではないのか?

 

 

「皇室がどうあるか?」

ではなく

「我々国民がどうあるか?」

 

 

以上、言葉の言い回しなどは違うかもしれませんが、江崎道朗さんの講演の後半の話はこのような内容でした。

 

 

昭和天皇は終戦時、復興には300年かかるだろうと仰られたお方ですから、ウォーギルトインフォメーションプログラムによりじわじわと変えられていく日本の行く末を案じられて「災い多き」と詠まれたのかもしれません。事実、戦後何十年も経ってからも、いえ時間が経過して当時を直接知る人が減りはじめてから災いが増えています。

 

 

さらに、平成になってからはネットの普及もあり皇室に対してあげつらう人々の声や、それに影響され好き勝手をいう人達がかってない多さになっていると思います。

 

 

しかし我が国は、天皇の祈りに護られ、その天皇を国民がお護りしてきた国です。

 

 

我々国民は、「皇室がどうあるか?」をあげつらうのではなく、「我々自身が護られるに値する国民になるべく生きる」べきではないかと思います。それが分け隔てなく「民安かれ」と祈られる天皇陛下へお返しできる唯一のことであり、そのときこそ 天皇は国民の敬によりて威を増し国民は天皇の徳によりて運を添ふのだと思うのです。

 

 

神は人の敬によりて威を増し人は神の徳によりて運を添ふ

 

 

参考として2015年12月20日 調布史の会 江崎道朗氏講演会の動画です↓ 

「戦後体制と天皇陛下 ~国民の幸福を祈念する皇室の伝統~」

冒頭からハッとする話の連続です。1時間15分ですが全編聴いて欲しいです。特に終戦時11歳だった今上陛下が決意を書かれた日記の話には驚かされるかと思います。近現代のインテリジェンス(情報)と歴史、そして皇室についての知識の第一人者であり、トランプ大統領の当選を予測されたのが江崎さ道朗さんです。

 

 

江崎道朗さんが毎週配信されている動画の最新動画↓