今回レビューするのは『アメイジング・グレイス-what color is your attribute?-』(きゃべつそふと)です。
※以下、公式HP情報を超えるネタバレはありません。
いや、なんというか、非常にレベルの高いシナリオでした。
下でもちゃんと書くんですが、まず言っておきたい。良い作品でした。
「萌えゲーアワード2018」でシナリオ賞を獲るだけのことはあります。
舞台は、「オーロラ」という高層建造物に囲われた、隔離された街。
そこで、主人公は記憶をなくした状態で目覚めます。
「オーロラ」の外の世界は、大昔に滅び、存在しないとされています。
しかし、主人公の記憶の断片は、主人公がその「外」の人間であることを強く示唆します。
記憶をなくした、「外」から来た主人公が、街で出会う人たちと関係を深めていく中で、
訪れる街の破滅。
その破滅を回避するために、主人公は奔走するのですが…。
【シナリオ】
とにかく、設定が非常によく考えられています。張り巡らされた伏線も見事です。
物語が進むにつれて、様々な謎が徐々に明らかになっていく様は非常にエキサイティング。
そして、その設定から紡がれる、あるキャラクターとの物語は、切なく、感動的の一言。
ネタバレできないので、「とにかくやってくれ」としか言いようがないのが口惜しい。
また、本作は、公式HPにある通りタイムリープものですが、タイムリープの仕組み自体については、それほど説明はありません。
しかし、そこがむしろいい。
結局のところ、タイムリープは、それをする者に「やり直したいこと」があるからするわけで、
とすると、その「やり直したいこと」がうまくいくのかいかないのか、その要素だけで物語を作り上げることは可能だと思うんです。
もちろん、タイムリープの仕組みを掘り下げないことで、リアリティが欠けてしまう面はあるのですが、
それでも、心に訴えるものがあるならいいじゃないか、というのが本作です。
【キャラクター】
ヒロインは4人です。
素直な性格で正統派ヒロインのユネ、
「芸術は爆発だ」を地でいくキリエ、
知的で甘えさせてくれる先輩のコトハ、
普段は静かめながら、慕ってくれる後輩のサクヤ、
と、ヒロインたちはそれぞれ個性的に描かれています。
サブキャラもまた皆個性的で、重要な役割があり、誰一人物語に欠かせない。
シナリオ抜きで、純粋にキャラクターだけで見るなら、
キリエのキャラが好みでした。
【CG】
まず、絵と物語の雰囲気がマッチしているのが良いです。
若干、判子絵のきらいがなくはないのですが、それほど気になりません。可愛らしい絵柄です。
CGの枚数は、多くもなく、少なくもなく、といったところ。
【音楽】
BGMはクリスマスにポピュラーな曲をアレンジしていたりと、物語の雰囲気を大切にしていることが伝わってきます。全体的に、しっかりと物語を盛り上げてくれるBGMが多く、レベルは高いと思います。
「覚えていてね」は名BGM。というか、この曲名が既に涙を誘う。。
起死回生の場面で流れる「キャンバスをぶち破れ」もかっこいい。
なお、物語の最大の見せ場で流れるあるBGM,、これはある意味で反則で、全てはこのシーンを描くためか、と思わざるを得ないくらい感動的です。
ちなみに主題歌の「コールドボイス」は、「きしめん」で有名なave;new feat. 佐倉紗織さんで、いい曲です。
ED曲の「夜明けの虹を越えて」も、しっとりとした名曲と言えます。
総合的には、一度はプレイして損のない作品かと思います。


