サード・パーソン | 記憶のための映画メモ

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こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。


サード・パーソン


2013年/アメリカ/137分
監督:ポール・ハギス
出演:リーアム・ニーソン、オリヴィア・ワイルド、ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス、エイドリアン・ブロディ、モラン・アティアス、他
おすすめ度(5点中) → 3.3


――― あらすじ ―――――――
パリの一流ホテル。スイートルームに泊まるピュリッツァー賞作家のマイケル。新作の執筆に追われながらも、別の部屋に泊まる作家志望の女性アンナとの不倫を楽しんでいた。ローマのとあるバー。いかがわしいアメリカ人ビジネスマンのスコットは、エキゾチックな美女モニカに目を奪われる。ひょんな成り行きから、彼女が誘拐された娘の身代金を紛失したと知り、手をさしのべようとする。ニューヨーク。元女優のジュリアは、息子の親権を巡って別れた夫リックと係争中。多額の裁判費用を工面するため、高級ホテルで客室係として働き始めるジュリアだったが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――

あっそうなんだ!ってなる話なので、記事にしにくいのぅ。感想を書こうとすると完全にネタバレになりそうだし。映画を観てしまった自分としては、そもそもアメリカ版のポスター自体ネタバレなんじゃないかと思う。


えー。3つの話がありまして。



ひとつめ 舞台はパリ


▲ピュリッツァー賞作家のマイケルはホテルで執筆中だけどスランプ状態。んで別の部屋に泊まるアンナと不倫中。そんなアンナも作家志望。



▲アンナはちょっと何考えてるか分からない感じで、マイケルに対しても憎まれ口をよくたたきます。

僕はアンナが自分勝手に行動しまくっているように見えて、マイケルはこの人の何がいいのかしら?と思いながら観ていました。オリヴィア・ワイルドは綺麗ですが、なんだか整いすぎてて人間に見えないですね(笑)。



ふたつめ 舞台はローマ


▲洋服のデザインを裏ルートで転売している怪しきサラリーマンのスコット。彼は立ち寄ったバーでロマの女性に目を奪われます。エイドリアン・ブロディは怪しい男が似合います。


▲スコットの目を奪ったのはこの女性モニカ。

彼女は誘拐されてしまった娘を助けるために大金を用意していたのに、それを紛失してしまいます。スコットはそれを見かねて資金援助を申し出ます。


▲そしたら怖い人が出てきて、もっと金を出せと脅してくるもんだから、さぁ大変。

この話は、モニカと怖い人が実はグルでスコットを騙そうとしているんじゃないか?って不安を煽る話にエスカレートしていくんですね。その真相は観てのお楽しみですが。



みっつめ 舞台はニューヨーク


▲元女優のジュリア。彼女は親権問題で元夫と争っています。


▲元夫リックと息子。リックは息子が自分にあまり懐いてくれないので困っています。そんなリックにはすでに新しい恋人がいます。
この話は3つの中で一番比重のない話で、この話ちょっと薄くないかぁとバランスの悪さが気になりました。



この映画は3つの話が入り乱れますが、映像的なシーンのつなぎは同じような構図にしてあったりするので、あまりガチャガチャした印象は受けません。モニカがベッドに横たわっているシーンからアンナがベッドにいるシーンへ、腕時計が映っているカットから別の人物の腕時計へ、などなど。実はこの作り自体がこの映画の構造を説明するのに重要な要素なんですが、あまり語れません(笑)。


3つの話は微妙に交差していきます。マイケルがアンナの部屋に大量のバラを贈る → ホテルの清掃係であるジュリアが、掃除のためにアンナの部屋に入ると大量のバラがあってビックリ などなど。


でもここで大きな矛盾に気づきます。そもそも舞台がパリ、ローマ、ニューヨークとバラバラなのに、なぜ話がシンクロしていくのか?実はこの仕掛けこそがこの映画の魅力であると言えます。

というと凄い感じがしますが、実際はこの仕掛けだけが面白く、3つのエピソードを単独で観た場合は大したことない薄い話な気がします。映画の構成としては印象的なんですけどね、話の軸になる“ある人物”の抱える苦悩を描くにはまだまだ浅い気がします。


「クラッシュ」のポール・ハギスだから、けっこう期待していたんですが少しテクニックに溺れた感がありますね。