殺しの分け前/ポイント・ブランク | 記憶のための映画メモ

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こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。

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殺しの分け前/ポイント・ブランク


1967年/アメリカ/92分
監督:ジョン・ブアマン
出演:リー・マーヴィン、アンジー・ディキンソン、ジョン・バーノン、キーナン・ウィン、他
おすすめ度(5点中) → 4.1


――― あらすじ ―――――――
旧友マルと組んで強盗をした男ウォーカー。しかし犯行が成功したとたん、マルはウォーカーを撃ち、彼の妻を連れて逃亡する。ウォーカーはギャングの協力を得て、復讐の追跡行へ出るが……。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――

考えれば考えるほど、味が出てくる。これはスルメ的な映画ですな~。


友人のマルに懇願され、アルカトラズ刑務所内で行われている現金取引を襲ったウォーカー。

しかし、ウォーカーはマルの裏切りにあう。

彼は現金強奪の後、マルに銃で撃たれ、あげく実はマルと通じていた自分の妻を連れていかれてしまうのだった。

そして1年後、復讐が始まるのだ!!


ヨストという男の協力を受け、ウォーカーは

マルが強奪した金でのし上がっていること、そして連れ去られた妻の住所を知ることになる。


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▲カツカツカツ。響く靴音。ヨストに聞いた妻の住所へと迫るウォーカー。

彼は名前のごとく、どしどし歩んでいくんですね~。っていうか、停まることを知らない。


妻の住所に着いたはいいが、マルは家を離れてしまっていた。

妻はウォーカーの突然の襲来に驚くが、やがて罪の意識とともに自害してしまうのだった。


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▲薬物自殺をしたウォーカーの妻。脚ハァハァ(☆。☆)


「マルはどこだ?」彼はマルの情報を知る人物を狙っていきます。


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▲どうやら、この車のディーラー(左)がマルのことを知っているらしい。

そしたら、ウォーカーはディーラーと初対面なのに、試乗した車内で殺人級の脅しをかけるんです。

「マルはどこだ?」


そうこうして、ようやくマルに接近できるんですが……。

ウォーカーは、死んだ妻の妹を利用するんですね~。っていうのもマルはその妹さんに惚れているらしいんですよ。これを利用しようと。


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▲妻の妹(左)の色仕掛けで、マル(右)の隙をつくるウォーカー(部屋の外に隠れている)。


さぁいよいよ復讐だ。ん?まだ物語は中盤なんですが、なんとマルはビルの屋上から(事故で)落ちて死んでしまうんですね~。

あれれれれ?復讐すべき奴が死んじゃったら映画終わりでは……?

しかし、ウォーカーはマルがお金を納めた組織の上の連中を付け狙うようになるんです。

復讐は終わったのに、そこまでするか?

思うんですが、この主人公のウォーカーって男は、

裏切り → 妻の死 → 復讐すべき相手を失う って、言い換えればどんどん生きる目標を失っていくわけですよ。中盤以降の彼は金をもらうために動いていますが、本当の意味での金がほしいわけじゃないと思うんですよね~。目的(進むべき道しるべ)としてお金の存在が必要なだけだと僕は考えます。


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▲ウォーカーの次なる標的。お金を受け取った組織の幹部たち。

幹部からしてみたら、たまっちゃもんじゃないですよね~。すごい言いがかりですよ。

でもウォーカーは遠慮なしに、俺の金を返せと迫ってくるんです。


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▲ウォーカーを演じたリー・マーヴィンの圧倒的な存在感が、はっきり言ってホラー級の恐ろしさです。


この映画、ウォーカーがラストまでひたすら誰かを追いつめていく話なんだけど

ウォーカーの心境を反映した不気味なフラッシュバックが要所で挟まれて、

観ているこちらは悪夢を見ているような不思議な感覚に襲われますね。

「3-4×10月」で、北野武が死のイメージをフラッシュバックで差し込んでいるんですけど

手法としてはそのイメージに近いかもしれませんね。

あちらは鮮やかすぎる色調に暴力的な抗いがたい死の接近を感じましたが、

今作の場合もっとヌルヌルドロドロ井戸の底でみた己の死相のような感じです。


これDVDほしいな~。観ればみるほど好きになる気がする。もちろん、おすすめです★