2011年/イギリス・ドイツ・カナダ・スイス/99分
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:マイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ、サラ・ガドン、ヴァンサン・カッセル、他
おすすめ度(5点中) → 3.4点
――― あらすじ ―――――――
1904年、チューリッヒ。若き精神科医ユングは、精神分析学の大家フロイトが提唱する“談話療法”を新たな患者ザビーナに実践し、彼女の心の奥底に眠る性的トラウマを突き止めて治療に成功する。しかし二人はいつしか医者と患者の一線を越え、愛人関係に。そんな中、一度は師弟のような友情を築いたフロイトとの間にも溝が生じ始めるユングだったが…。(allcinemaより)
――― 感想 ―――――――
キーラ・ナイトレイ、あっぱれ!クローネンバーグなのに、分かりやすいグロ描写のない地味目の映画でしたw。かなりテキトーに感想文書きます。
▲ユング(左)のところにやってきた新しい患者ザビーナ(右)。
このザビーナの序盤は精神的に超不安定なんですが、それを演じるキーラ・ナイトレイの演技たるや、若干顔をそむけたくなるほど(もしくは笑ってしまうほど)迫真の演技です。
▲顔芸がすごいんす!クローネンバーグ監督特有のメタモルフォーゼ描写は、今作ではキーラ・ナイトレイが体現しているとも言えますね。いやいやあっぱれ!
▲やがて2人は禁断恋愛コースへと突入。
▲そんな診断という名の浮気(もしくは逆)中のユングには、実はキレイな奥さん(金持ち)がいるんです。
こいつぁー幸せものだ。
でもこの奥さん、亭主が浮気しているのを知ってて、冷静に対処してたりするのが怖いんす。
▲んで、精神科医のユングは、精神医学の大家フロイトと交流するんですが……。
▲ちなみにネットに転がってた画像なんですけど、両者ともソックリですな。なんかマイケル・ファスベンダーの顔が愉快w。
愉快といえばね、僕この映画を観ている時にかなりの学術的な世界観に構えていたんですけど
浮気を精神分析的に考えるユングをみてたらオカシクなってきてw、
この人言い訳してるだけじゃんwwwみたいな気楽モードにシフトしたら、急に今作に親しみを持てましたよ(‐^▽^‐)
▲ザビーナに対する欲望&妻帯者としての罪悪感というある意味ウハウハな悩みを抱えるユングのところに、グロス(左)っていう欲望むき出しの患者がやってくるんだけど……。
「おまえ、やりたいならヤッちゃいなよ!」スタンスのグロスがあまりにもストレートすぎて、ユングが「お前の言うことももっともだ」と感じているあたりとかも愉快。
▲グロスはエロに対して直球なのです。こういう脇役のヴァンサン・カッセルもいいですねw。
そんなこんなで、ユングとフロイトは交流があったんだけど、ザビーナ問題を経るうちに
最終的に決別するっていうのが今作の骨組み。
ん~ヴィゴ様、かっこいいよな~。でもね、僕この映画ってザビーナがユングともフロイトとも恋愛すると思ってたんです。しかしながら実際はザビーナとユングが乳繰り合っているだけで、ザビーナとフロイトの恋愛はないんです。
史実を知っている人には当たり前なんでしょうけど、僕なんて卑しい男は、そういう男女の汚らしい関係を拝みたかったと言いますか……。
そんなことばっかり考えているやつはお仕置きだ!とでも言わんばかりのSMが観れるのも今作の魅力。
▲レッツ!スパンキング♪(乳見えとるがな)
まぁいろいろありまして、ユングはフロイト決別して、そののち妊娠してしまったザビーナとも別れざるをえなくなるんですねー。
▲ザビーナァ・°・(ノД`)・°・結局男はこうなるのだぁ~(笑)。
そういえば、ワーグナーの音楽ネタにからめて後のナチスを予見させたりしていて、実はそれがユダヤ人であるフロイトと、アーリア人であるユングの決別ともリンクしてて細かい芸が入念ですな~、最近のクローネンバーグは完全に“匠”の世界に入ってきているな~とも思うのですが、僕としてはやっぱり攻撃性の強いビジュアルに、精神的にも崩壊した人間たちが出てきて、それを超俯瞰で観ているような、あの“虫かごを眺める”ような映画体験がしたいな~なんて思うわけなんです。
▲両手に花のクローネンバーグ監督。強烈な映画ばっかり撮っているけど、顔は凛々しいんだよなー。