ふわり羽根を拡げて
 君は往く
 それは知っていたこと
 僕らの選んだ道
 君が休みたいときに
 来てくれたらいい
 そう僕が君に告げたんだ

 君は留まることをしない
 渡り鳥
 僕はそこに留まり続ける
 桜の樹
 どこまでも飛んでいけ
 誰よりも、輝いて

 君が僕の頬をつついて笑う
 その瞬間
 世界が初めてキレイに見えた
 そんな瞬間
 いつまでも続けばなんて
 思っていたんだ
 続かないと知りながら

 君は居場所を決めない
 流れ者
 僕は居場所が決まってる
 桜の樹
 そろそろ時間なんだと
 僕らは気づき始める

 君は留まることをしない
 渡り鳥
 僕はそこに留まり続ける
 桜の樹
 どこまでも飛んでいけ
 誰よりも、輝いて

 君は羽ばたいていく
 渡り鳥
 僕はそれを見送る
 桜の樹
 この花弁届くまで
 君を見守るよ

 どこまでも飛んでいけ
 誰よりも、輝いて


 




 散りゆく花弁掴もうと
 手を伸ばしても
 逃げていくだけで
 美しさを知れば知るほど
 手に入れることが
 出来ないまま

 桜ひらひら花吹雪
 儚い命の最期の輝き
 桜ひらひら花吹雪
 出会い別れる季節

 散りゆく花弁掴もうと
 伸ばした手は
 空を切る
 君の背中に伸ばした手が
 また何も掴むことが
 出来ないまま

 桜ひらひら花吹雪
 出会い別れる季節に
 桜ひらひら花小路
 君に手を振り「またね」と

 桜ひらひら花吹雪
 次に会える時代があるかは
 誰も知らないけれど
 桜ふわふわ花小路
 どうか元気で、笑ってて
 貴方の明日が輝くように
 私は知らない場所で
 祈ってるよ

 桜ひらひら花吹雪
 儚い命最期の輝き
 桜ふわふわ花小路
 出逢い別れて旅立つ季節





 縋り付いてくるその手に
 抗えないままの彼女は
 自分の存在意義をその手に
 委ねながら自由を渇望する
 お姫様人形

 取り囲まれた城壁の中の
 世界でしか呼吸出来ない
 哀しく救えない小鳥は
 飼い慣らされながらも
 大空夢見て騒ぎ立てる

 鳥籠少女よ 飛翔んでみせて
 無知で無謀なる夢を実現した時
 お前はまた絶望して嘆くだろう
 そうしてお前はまた還ってくる
 主の腕の中で悲哀に哭く

 縋りつこうとするその手を
 彼女は引き戻して蹲る
 想い人の背に縋れないまま
 無情に過ぎる時の中で
 彼女は存在意義を疎む

 取り囲まれた城壁の中で
 鳥籠の小鳥は囀りを止める
 次第に空を仰ぐことなく
 与えられた餌を貪る
 羽根は次第に廃れていく

 鳥籠少女よ 唄を謳え
 鳴かねばその首へし折ろう
 お前の唄は下手くそだが
 せめての夢を見させてやろう
 そうしてお前はまた哭くのだ

 鳥籠少女は 笑っている
 全てを諦めた頃に
 差し込む光明があっても
 最早遅いと笑っている
 
 鳥籠少女は 小鳥を逃がした
 羽根が腐ってはいけないと
 籠から取り出して庭に放す
 駆け去る小鳥に詫びながら
 彼女は城に消えていく

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 鳥籠少女Ⅰ。
 自由について考えながら。