「ぴくん、ぱちっ」
と目をあけた気配がして、ピピはすこし決まり悪げにごそごそとからだをくねらせ、こちらにお腹をむけた横向きになりました。
それからおもむろに
「ぐぐっ・・!」
と肩をそびやかすと
「ふんっ!!」
全身をまるごとその肩にして降ろすように、大きく息を吐いたのです。
はい、この「ぐぐっ、ふんっ!」。
いかにもからだの懲りが抜けそうで、わたしもときどき真似をするのです。
「ぽうむ、ぴー」
わたしは、まだ「ぽうっ」として見えるけれど芯のところではしっかりとこちらをうかがい、さっきまで長々と伸びていた時よりずっと太く丸く横たわっている、ピピの耳をめくりました。
「大胆に、寝てたねえ」
ピピの耳のピンクの穴はぴかぴかひかって、複雑にうずまいて、あいかわらず、宇宙からやってきたみたいです。
「カシャ」
わたしは、それをまた写真にとります。
ピピは、まあるくふとく横になったまま、片目で
「キラリ!」
と、わたしのカメラのレンズを見返していました。