春と歯 | 4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

4コマ漫画「アメリカは今日もアレだった」

アメリカ暮らし漫画と昔の日本での愛犬物語です。

 

 庭や空に、春がにおいはじめていました。
甘くしずかに、わくわくするにおいです。

 

ぷちぷちと、ちいさなたくさんのなにかがはじけ、あちこちでやわらかくうずを巻いています。
わたしよりずうっと鼻のするどいピピは、いったいどんなふうに感じているのでしょう?

 

 

 今、ピピは生まれてから130日がたちました。

人間でいえば、小学校の低学年といったところです。

 

歯が生えかわるので具合がわるいのか、さいきんはずっとなにかを齧っています。

わたしはピピの上くちびるをめくり、のぞきこみました。

 

前面に、大きな4本のとがった歯が間隔をとって生えかけ、その両わきにはさらに1本ずつ、なにかが生えてきそうな噴火口になっています。
「ちょんぷ、すきっぱね」

 

それにしても、乳歯のときにくらべて

「ざらり」

 と歯がふえました。

 

犬の本を読むと、乳歯は28本。永久歯は42本。

乳歯をぜんぶとりはらい、大きなのをいっきに1.5倍の数で生やすのです。

 

ピピの小さなからだは、なんという大仕事をしているのでしょう!!