こうしてトイレのドアを叩いて呼びかけていたら、どこかの角を曲がって大奥様が歩いてきました。
・・・・・・あせ・・・・・・・・
じつはこの総合病院は母が若い頃に勤めていた所で、小学生だった私はバスに乗って何度か遊びに行き、母が勤務する科の控えの部屋でお絵かきなどしていました。医師はおじいさまで見咎めず、受付事務の女性も優しくしてくれました。(そういうのんきな時代だったのでしょうか? 今ではきっと許されませんよね。)
その頃の私は自分で漫画通信みたいなものを描いて近所の女の子たちに配っていて、母に病院の機械室の複写機を使ってコピーを頼んだものでした。(これはさすがに誰かに言われたのでしょう、母はある日困った顔をして「私用のコピーはできないのよ」と私に申し渡しました。)
まあ、そんな昔懐かしい病院。
母はきっと、昔の職場を確かめに行ったに違いありません。
とはいえ病院は増築され改修されて、何もかもすっかり変わっていましたけど・・