ラオスのんびり紀20 シンダートを巡る男女のあれこれ | 世界一周行ってきます!と果たして言う事ができるのだろうか
ラオスの料理で「シンダート」というものがある。



バンビエンには、そのシンダートが美味しい店があり、いってみることにした。





でも、本当は、サクラバーという、有名なクラブみたいなところがあって、そこに行きたかったのは内緒の話。


ちらっと調べたとこによると、毎夜、毎夜、パーティ状態で、とにもかくにも、楽しい。楽しすぎるらしいのだ。


しかし、

店の前を二、三度素通りしたぼく。下した結果は、退散であった。


あれは、モテる男、モテ男が行くとこだ。





そういう経緯で、シンダートの店に来たのであった。
食を通じて、異文化をより理解しようという意図もあるにはあるのである。






さて、シンダートが出てきた。




見た目は、焼肉である。


鉄板は日本のジンギスカンに近い、中央が膨らんだものだ。

しかし、周縁の溝は深く、水がなみなみと張られており、お堀のようになっている。


そこに食材を沈めて、鍋のように食べるのだ。





そう、シンダートとは、焼肉と鍋のハイブリッド。一度で二度楽しめるのである。

感心して、ふと横を向くと、怪しげなカップルが気になる。


距離にして、目算で三メートル。
隣席である。


女の方はといえば、西洋人。金髪のいかにもな感じで、おそらく20代。セクシー。


迎えに座る男性は、成人。も成人。禿げたおっさん(50代くらい)なのである。


そんなふたりが無言でシンダートをつつく夜9時。
ぼくは、鍋のハイブリッドだかフルフラットだかを忘れて、聞き耳をたてるのであった。



まあ、でも、今回のテーマは料理である。

話を元に戻そう。




シンダートのルールはシンプル。

肉は、ジンギスカン的な部分で焼いて、野菜は周縁のプールに放り込む。




だいたい同時に食べごろとなる。


しかし。問題があって、エビと白身魚である。

焼くのか?煮るのか?



なんとなく、肉の流れで、ジンギスカン部分で焼いていたが、ひっついてしょうがない。


無理やり、削り取るように白身魚を剥がすと、ほとんど数グラムしか残らない。

正解は鍋部分に放り込むべきだったのである。



横をとおった店員さんに、ふふっと笑われた。


いや、気にするならば、お隣さんでしょ。






男が何か言った。

「なかなかうまいな」


と、日本語である。



それに、白人女性は無視。



しばらくすると、食べ終えた2人は、当然のごとく男性が支払いを済まし、退出。




これは、ラオスの闇なのか?

はたまた、人種や年齢を超えた、素晴らしい愛なのか?


そして、目の前のこれは、鍋なのか?焼肉なのか?



生暖かい空気に包まれて、全ての境界線はだんだんと曖昧になっていくのであった。