世界一周行ってきます!と果たして言う事ができるのだろうか
これまでいろいろな国のいろいろな乗り物にのったが、これほど危険なものは初めてだ…

それがスリランカの爆速バスである。

いや、もはや暴走バス…危険運転バスといってもいい。


しかも一台だけではない。
スリランカを走るほぼ全てのバスがそうなのである。


(のどかなバスターミナル)



(バス車内)



何がそれほど危険なのか?


①まず、ちゃんと停まらない

バス停を通り過ぎる、とかではなく、バス停で時速ゼロkmにならない。

ぼくら乗客は、やや速度を落としたバスに飛び乗り、降りる時はイッセイノーデで飛び降りるのである。


②煽りまくる
日本では煽り運転は違法です、と運転手に伝えたい。

クラクションを鳴らしまくって煽る。

ちなみにクラクションはウィンカーを出す棒の横くらいに付いて、お手軽に素早くクラクションが鳴らせるスリランカ仕様なのである。


③「追い越し」に次ぐ「追い越し」

少しでも遅い車があると、これまたクラクションを爆音で鳴らしながら、追い越し。


しかも、その頻度がすごくて10秒に一度は追い越す。

たまに対向車がいて追い越せないと、運転手のイラつきが車体の揺れを通して伝わってくる。

車内が緊迫する瞬間である。


そうして遅い車を追い越すと、たまに、さらに大外から別のバスが追い越していく。


遅い車を追い越すバスを追い越すバス。


追い越されたバスは、当然気分が悪い。

追い越したバスが客をおろしてる隙に、さらに追い越す。


すると、隙をついて3台目のバスが追い越していくのである。


まさに、公道でバスのデッドヒートが繰り広げられるのだ。


よくわからないのが、フロントガラスの上に書かれた行先を見ると、どのバスも一緒。


一体どうなってるんだ公共交通機関…


そんな危険運転バスに、3時間や4時間も乗らなきゃならないのである


おかげでこの国では、電車より、タクシーより、バスが一番早く目的地にたどりつける。(そして100円とか、200円とかで激安)



ちなみに、事故も多いようで、シーギリアロックで出会った日本人ファミリー(タクシーをチャーターして移動しているらしい)に

「よくバスなんかに乗れますね?ここにくる前にぐちゃぐちゃに潰れたバス見ましたよ。」


と、言われた。


いや、この後も僕はバスに乗る予定なんだが…


世の中には、あえて口に出さなくてもいいことがあるんだよ。


と思いながら、笑顔で「そうなんですか〜」と返す僕は、大人ですよね???
なんだかんだ、スリランカに着きまして…


途中、マレーシアで6時間の乗り継ぎがありまして…


空港に降り立った頃には、すっかり夜中になっていまして…

久々の長距離フライトに疲れ切っていまして…


空港を出てフラフラしてまして…


タクシーの運転手に捕まりまして…


ぼおっとしてたから、なんか乗ることになっていまして…


よく見たらムキムキマッチョの運転手でして…


空港のすごく隅の方の人気がないところに連れていかれまして…


タクシーだと思ったらトゥクトゥクに乗せられまして…


ああ、死んだこれ…走馬灯が頭の中をぐるぐるしまして…


40分くらい走りまして…


無事、ニゴンボの予約していたホテルに着きました。


しかも、そんなに高くない値段で行ってくれた。


もしかして、スリランカって平和???


前回、ツライ先に“楽しい”があるのが「旅」である!と謎のテンションで言い放った、僕。


このスリランカ旅、最初の「ツライ」がさっそく襲ってきた。
順風満帆である。



一番近い空港はセントレアなのだが、コロナで色々あった間に、驚くほど飛行機が飛ばない空港になってしまっていた。しかも貧乏人の味方、LCCが全然ない。

なので、関空から飛ぶことにしたのだった。
しかし、ひとつ問題があって、朝の9時に離陸する飛行機だったのだ。


だから、大阪のすごく南の方にビジネスホテルを予約したのである。


それの何が問題かって?


この日、誕生日を迎えるのだ!


しかも40歳という、節目バースデイ!!



一つ言い忘れたが、今回の旅はひとり旅である。

もう一つ言い忘れていた。
コロナ禍でブログを更新しなかった間に、結婚していた、なんて事はなく。
さらには、ステイホームで愛を育んだ彼女、なんてものはいない。


想像していただきたいのだが、ビジネスホテルで1人悲しく誕生日を迎える40歳男性。

哀愁通り越して、ホラーである。



それは、ダメだ…(冷や汗)


そうだ、せめて大阪のおいしいものを食べよう!


     時は過ぎ…




ホテルの最寄りの駅に着いた頃には、23時30分…。


え?


もう40歳になっちゃうんですけど…

(うかうかして、だらだらして家を出るのが遅れた。自業自得の安定のダメ人間が僕)


しかも、駅周辺に開いてる飲食店は皆無。


さらに、追い討ちという追い討ちが、ふりかかる。


★追い討ち①
駅からホテルまでが、べらんめえに遠い。
Googleマップだと15分なのだが、よく見ると渡れない大通り渡ってる。

早くしないと路上で、40歳である。

野バースデイである。



★追い討ち②
先日、スリランカに行ったと言う先輩から電話がかかってきた。すごくタメになる情報をくれる。

ただ、早くしなきゃ、誕生日になってしまうのだ。
「電話いつのまにかバースデイ」も避けたいところ。

情報ありがたいけど!!!



なんやかんやで、限りなくランに近いウォークでホテルに着いたのが、23時55分。

滑り込みセーフである。

いや、何がセーフなのかよくわからんが…



ぼくは、早歩きによって膝にバシバシあたってヨレヨレになったセブンイレブンと書かれたビニル袋から、熱々のラザニアを取り出し、プラスチックのスプーンを、チーズの沼に滑りこませた。その瞬間、40歳になりました。


一応、シュークリームを買っておいたから、それがバースデイケーキ代わりで…





あれ、全然「ひとり、ビジネスホテルで誕生日」を回避してない…


え?


え?


(あれ?涙)


…明日早いし、寝るか…


旅とはツライの先にある楽しい、を味わうものである…





ツライの先に、楽しいが………ない!!
全然楽しくない!ツラさだけが積もっていく。

旅はまだ始まったばかりである