薬草サウナという、天国に近い場所をご存知でしょうか?
いや、場所ではない。
行為。
天界の行為。
薬草サウナという行為を、ラオスで体験するかどうかで、人生かわる。
と言っても過言では全くない。
そんな体験談を、ぼくはいまから書くのである。
(※といってもエロではないよ)
まずは、薬草サウナとはなにか?ということである。
ラオスの伝統的なサウナで、ぼくはルアンパパーンに行った時、訪れた。
施設には大抵、マッサージもついていて、マッサージから薬用サウナの流れが普通なようだ。
その店は、まあマッサージは、イマイチだった。
イマイチすぎて、マッサージを終えた頃には、なんか帰りたくなっていた。
雑なカーテンで仕切られた薬草サウナ用の着替え部屋が、小汚いことも、その考えに拍車をかけた。
それでも、お支払い済みであったので、備え付けのタイパンツのようなものに着替えて、小部屋の扉を開いた。
そして、驚いた。
な、何だこれは!?!?
視界に飛び込んできたのは、白!
一面の白である。
よく見ると白は蒸気。
今までの人生で見たことのないランクの蒸気が充満していたのだ。
視界15センチ。
それが、熱い!!
熱すぎるのである!
人間が耐えられるギリギリの温度の蒸気。
熱いからこそ、そこまで充満させられるのか?
はたまた、充満しているから、熱いのか?
そんな疑問を抱えながら、ぼくは小部屋に足を踏み入れたのだった。
ゆっくり扉を閉めて、そして、ぼくは息を吸った。
おお!!
ぼくはまた、仰天した。
ハーブが濃い。
合法ですか!?大丈夫ですか!?
と言うほど濃いのである。
次に息をより深く吸ってみる。
目を閉じると、体の細胞の隅々までハーブが浸透していくのがわかる(危ない表現)。
なんだろう、この感じ…
イメージでいったら透析!(あの、糖尿病の人たちがやっているもの)
血を入れ替えるのではなくて、体内の気体がまるっとハーブ蒸気に置き換わった感じ。
吐く息も、肺に溜まる空気も血管が運ぶ酸素もすべてがハーブ入りなのだ。
ぼくは恍惚な表情を浮かべて、何度も吸った。
もっと体内のハーブの純度が増すように。
もっと周りと一体化できるように。
ぼくを構成する細胞壁、ひとつひとつが消えて、ハーブの世界に溶け込めるように。
それにしても…
暑い…
感動のあまり、入りすぎていたようだ。
なんせ、蒸気は熱々なのだ。
ぼくは、扉を開け、現実世界へと戻った。
休憩スペースには、なにやらよく分からないお茶が置いてあり、これまた熱々なのだが、水分が抜けた体には嬉しい。
ほっと一息ついたら、またあの小部屋に舞い戻る。
この繰り返しが、薬用サウナの入り方らしい。
ああ、日本にもあったらなあ。
と思った時点で、脳までハーブが回ってきた証拠である。