スポーツライター 丹羽政善
(1/4ページ)2012/4/13 7:00
1回にダルビッシュ(左)から三塁後方への内野安打を放つイチロー
(9日、レンジャーズ・ボールパーク)=共同
米国での開幕前日のことに成る。
夕刻が迫り影が長くなったころ、練習の取材を終え、
オークランドの球場前の駅で電車を待って居ると、
少し離れたところで3月の日本開幕戦でMVPを受賞したダスティン・アクリーも
電車を待っていた。
■アクリーと帰りの電車乗り合わせる
チェックのシャツにジーンズと言うラフな格好。
他に気づく人はい無い。ゆっくり近づいて「選手用のバスに乗り遅れたのか?」
と声を掛ければ、彼は首を振った。
「いや、ベイブリッジが渋滞するって聞いたから。
こっちの方が早いんだろう?」
確かに。オークランドとサンフランシスコを結ぶベイブリッジの渋滞に巻き込まれれば、
サンフランシスコのホテル迄1時間はかかる。
「BART」と呼ばれる電車なら20分程度だ。
ダルビッシュを応援するボードを掲げるファン=共同
実は、そんな風にかんがえるのはアクリーだけではなく、その日、
球場に向かう際もトム・ウィリヘルムセン、ブランドン・リーグらと電車に乗り合わせた。
別の日、川崎宗則や岩隈久志もこの電車を利用したそうで有る。
■ダルビッシュの話題に
ほかに席がなかったため、アクリーの隣に座ってサンフランシスコ迄帰ったが、
図らずも9日に先発することになっていたダルビッシュ有の話となり、
「いきなりイチローと対戦するのか。注目もされるだろうし、
お互いやりにくいだろうなあ」と苦笑していた。
くしくも9日の試合後、同じ言葉をイチローの口からも聴くことに成る。
「そりゃあ、ダルもやりづらいだろうし、僕らだってやりづらい」