無謀にも、僕は、6年前の第24回参院選において、神奈川県選挙区で立候補致しました。選挙運動員は、3名。そのうちの一人の、当時20歳以上の御子女には、ポスター貼りを手伝って頂きました。選挙事務は全て、自分で行いました。粛々と国庫に納める形となった供託金以外の選挙運動費用は、399,288円。
2桁、間違えている訳ではありません。画鋲代、コンビニでのA3白黒コピー代も、もちろん含め、一切、化粧せず、本当に、これだけです。今回の参院選での、神奈川県選挙区の法定選挙費用(選挙運動費用の上限額)の数字が、ネット上で見付からず、岡山県選挙区の数字が見付かりました。44,071,700円です。
てっきり、選挙運動費用収支報告書は、ネット上で公開されていると、6年間、思っていたのですが、神奈川県のウェブサイト(第25回参院選に関する記者発表資料)を見てみると、横浜の県選管に行かないと閲覧できないようです。なので、僕の選挙運動費用収支報告書の表紙と支出の部の最終ページの画像を、ご参考まで、アップしておきます。
(表紙)
(支出の部の最終ページ)
俗に言う三つのバン、地盤(地域の後援組織)、看板(知名度)、かばん(お金)どころか、話力もないし、人目を惹き付ける容姿もないし、もちろん、選挙参謀もいません。様々なものの見方があり、「人生は、実験の繰り返し(a series of experiments)」という見方をし、この身一つと、少数精鋭の友人と、少しのお金(some money)だけで、参院選において立候補するという実験をしたら、どうなるのか。
笑われるかも知れませんが、この状況で立候補の届出を行なって、果たして、神奈川県選管が、すんなりと届出を受理してくれるのか、それさえも、僕にとって、実験でした。もちろん、全体の奉仕者(憲法15条2項)であり、政治的中立性(地方公務員法36条5項)を旨とする選管の方々は、僕の届出を、粛々と受理し、処理されました。
拙い、この経験から、僕なりに学んだことのうちの一つは、候補者にとって、「選挙運動とは、名刺交換のようなもの」ということです。名刺交換の場で、いきなり、熱弁を振るい、持論を長々と説明しても、支持を得ることは難しいです。名刺交換は、成立しません。
候補者が、有権者に名刺を差し出し、つまり、有権者にアプローチし、有権者が、それを受け取る。受け取った名刺を吟味した後、有権者が、投票という形で、その人の名刺を、候補者に差し出し返せば、名刺交換が成立します。
より多くの人と名刺交換をした候補者が、当選します。選挙とは、そういうものです。砕けた言い方をするなら、「大型案件のコンペで、プレゼンをする」のとは、大きく違います。
最近、色んな方の街頭演説などを、オンライン、もしくは、オフラインで、見聞きし、そのようなことを、思いました。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則