そもそも、なぜ、公設ポスター掲示場の制度が存在し続けるのか(その3) | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 まず、「得票率が低かったら供託金が没収される」制度(公選法93条1項)で、「議員業界」への新規参入を阻む。供託金が没収されない程度に得票できたら、ポスターの作成、ビラの作成、葉書の郵送、選挙運動用自動車の使用などに関する公費負担制度が利用でき、得票率が低く供託金が没収されたら、それらに関する公費負担制度が利用できない仕組みで、更に、新規参入を阻む。

 

 選挙が公示される前の段階において、政党交付金が交付されている公の政党が、お金に物を言わせ、公選法143条16項の中の二号を無視して、「立候補予定者の政治活動のために使用される、立候補予定者の氏名を表示するポスター」、つまり、2連ポスターを、大量に制作し、町中でばんばん掲示することにより、世論を誘導する。

これは、どう考えても、「政党交付金という公金使った、立候補予定者の知名度アップ作戦」ではないでしょうか。

 

 そして、選挙が公示された後、公設ポスター掲示場に掲示するポスターの作成は、ほぼ公金を使って行われ、公設ポスター掲示場の指定された枠にポスターを貼る作業は、立候補者本人の自己負担で行われる。

何故なのか。「あなたは、最大政党の幹事長の職にあって、多少、阿漕(あこぎ)なことをしても心が痛まない丈夫な精神の持ち主である」と、仮定してみて下さい。次の選挙でも勝つために、どのような策を考えますか。

 

 ポスター貼りに公金を投入せず、自己負担で行うことにすれば、大きな政党であればあるほど、金銭の余裕がある政党であればあるほど、有利です。多くの人、お金を使って、ポスター貼りを一気に行い、立候補者の知名度を向上させることができますので。

小さな政党、金銭の余裕がない政党であればあるほど、不利です。ポスター貼りが進捗せず、立候補者の知名度を向上させることが難しいので。「なんちゃって無所属」ではなく、「完全な無所属」であれば、ほぼ絶望的です。

 

 加えて、選挙公報の、選挙人名簿に登録された者の属する世帯全てに対する配布は、実現されていません。現に、横須賀市選管から僕の自宅に、選挙公報が届けられたことは、一度もありません。公選法170条1項で、「選挙公報の全世帯配布」が謳われていますが、同条2項で、「新聞折込みなどによる配布を行えば良し」ということになっています。

納税告知書の全世帯郵送は、可能なのに、なぜ、選挙公報の全世帯配布は、行わないのでしょうか。まさか、「大手新聞の購読者は、比較的、従順だから、新聞に折り込んで配布して良し。佐藤政則のような者には、配布するな」と、最大政党の幹事長が思っている、なんてことは・・・。僕の思い過ごしでしょう。

 

 そうでなくても、「選挙は、現職有利」と言われています。知名度が高く、議員活動の履歴が、議事録や報道などで、公開されていますので。この国において、初めて被選挙権を行使することが、どれほど、難しいことか。選挙に関する考察が、長くなりました。この題の投稿、これで完結です。

 

 

神奈川県横須賀市にて

佐藤 政則