だいぶ前、2011年の5月に、「politicsと政(まつりごと)は、別物である」というタイトルで記事をアップロードし、その中で、ロングマン現代英英辞典での、politicsという語の説明を、引用させていただきました。
今、手元の機器の中にロングマンがないので、macOSに付属されている新オックスフォード米語辞典を覗いてみると、politicsという語の説明の一つとして、『activities within an organization that are aimed at improving someone's status or position and are typically considered to be devious or divisive』と、記されています。やはり何だか、きな臭い気配や、権謀術数が渦巻いているような雰囲気を、感じてしまいます。
米国においては、西暦の偶数年の11月に、任期2年の下院の全議員(各州を代表する議決権のある435名と、コロンビア特別区やグアムなどを代表する議決権のない6名)の選挙と、任期6年の上院の約3分の1の議員(今年は33名)の選挙が行われ、同日、州議会選、地方議会選、首長選なども行われるところが、多いようです。西暦の偶数年の2回に1回、4で割り切れる数の年には、大統領選も行われます。
本日、11月3日が、今年の「選挙の日(Election Day)」ですが、日付変更線の東側にあるハワイ州と日本の時差は19時間あり、また、郵便投票(mail-in voting)を巡る問題などもあり、トランプ氏とバイデン氏、どちらが勝つのか、当選人が確定するまで、それなりの時間を要することが見込まれているようです。
50州とコロンビア特別区に割り当てられた、大統領を直接選挙する選挙人(elector)の総数は、「435+100+3」で538人、その過半数で最小の整数は、270。メイン州とネブラスカ州を除く各州とコロンビア特別区では、いわゆる勝者総取り方式(winner-take-all system)です。結果、どうなるか。
細部を端折って極端なことを申し上げれば、候補者Aが、270人の選挙人を得るために、得票率が51%対49%で勝ち、残りの268人の選挙人を得る戦いで、得票率が0%対100%で負けても、候補者Aが大統領に選ばれます。
1票の格差がないと仮定すれば、計算上では、全ての選挙区(50州とコロンビア特別区)での数字を合算した場合の得票率が、半分の半分、つまり、25%を超えていれば、勝つ可能性はありますので、「(全米における)支持率で、バイデン氏がリード」などの報道には、あまり意味がないと思います。
やはり、結局のところ、定石通り、「浮動票(swing vote)が勝敗を決する激戦州(swing state)を制する者が、勝つ」と考えれば、勝ち目はトランプ氏にあるように、僕は感じています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則