理不尽で不毛な言葉狩りは、「いつか通った道」ではないのか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 三羽烏(さんばがらす)というのは、褒め言葉です。「例えが古いんだよ、おっさん」という声掛けをいただきそうなので、先に、かなり昔の話ですがと断っておきますが、プロ野球で活躍された田淵幸一氏、故・富田勝氏、(赤ヘルの)山本浩二氏は、学生時代、「法政三羽烏」と呼ばれていました。法政というのは、東京六大学野球の一角の法政大学のことで、三羽烏とは、「門下、部下の中で、特に優れた三人」のことです。

 のっけから、こんなことを書かせていただいたのは、インターネット上で、たわいもないニュースの日本語ページを見ていたら、「テレビ番組の中で、あるコメンテイターの方が、ある新聞社三社を挙げて、『反日三羽烏みたいなもの』と発言し、その後、『語弊があったら申し訳ございません』と仰った」という出来事が、紹介されていたからです。

このコメンテイターは、どうも、「有形無形の圧力で、詫びを入れさせられた格好になった」みたいなのですが、彼は、彼の発言のどの部分に対して、お詫びをされたのでしょうか。

 

 僕は、もう長い間、テレビ受像機を持っていないので、最近のテレビ番組の事情や状況は、ほとんど知りませんが、

(1) このコメンテイターは、職業柄か、「〇〇みたいなもの」と仰り、「〇〇だ」という断定的な表現を避けています。

(2) 「三羽烏」というのは、どちらかと言うと、上の者が「若くて有望な三人」を褒めるときに使われる言葉なので、この「上から目線」に対して、お詫びをされたのか。

(3) 「反日」の部分に対して、お詫びをされたのか。ある新聞社を反日的だと評価し、反日だと発言することは、公共の福祉(憲法13条)に反しますでしょうか。

 

 以上、「反日三羽烏みたいなもの」という発言を三つに分けて、考えてみましたが、なぜ、「有形無形の圧力で、詫びを入れさせられた格好になった」みたいであるのか、僕には、分かりません。

証人喚問の場ではないのだから、それこそ、その場の他の出演者が、「例えが古いんだよ、おっさん。それに、老舗の新聞社に対し『三羽烏』はないよ。せめて『三羽ふくろう』ぐらいにしときなよ」と言えば済む話ではないでしょうか。理不尽で不毛な言葉狩りは、「いつか通った道」ではないでしょうか。

 

 

神奈川県横須賀市にて

佐藤 政則

 

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