千葉県富津(ふっつ)市から神奈川県横須賀市まで、ぐるっと都心を中心にして円を描くように伸びる国道16号線。横浜市金沢区にあります、その国道16号線の六浦(むつうら)交差点で、西に向かって曲がり、神奈川県道23号に入って少し進み、横浜市立大道(だいどう)小学校を通り過ぎた辺りの、通りの左手に、あまり目立たない石碑が、ひっそりと佇んでいます。その石碑には、「小泉又次郎 誕生地」という文言が刻まれています。
東京駅で狙撃された二人の首相のうちの一人、浜口雄幸(はまぐち・おさち)首相の内閣で、逓信大臣を務めた小泉又次郎氏は、小泉純一郎元首相の祖父です。西洋列強に伍していくために近代化を急ぐ必要があり、国策として官営八幡製鉄所を建設した後、その製鉄所が株式会社化されたのと同じ理由で、小泉純一郎元首相は、郵政省の民営化を、力強く推し進めました。決して、道楽が過ぎて、郵政省に「売り家」と唐様で書いた訳ではございません。
今から56年前である1960年の6月19日の零時に、憲法61条に基づく自然成立により、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」が、国会で承認されました。僕は、1968年生まれなので、その前後の頃の世情は、情報としてしか知りませんが、警察側との衝突で、女子大学生が死亡するという出来事まであったと、伺っております。
この新日米安全保障条約の前文において、「日米両国が、個別的自衛権及び集団的自衛権を有している」ことは確認済みです。そしてこの条約は、国会で承認され、その批准書が交わされて発効し、未だ、解約の予告がされたことはなく、今現在、効力を有しています。
この新日米安全保障条約の締結に尽力したのは、我が自民党の先輩、岸信介氏の内閣です。岸信介氏は、安倍晋三現首相の祖父です。僕は、例の法律を、ずっと、変な法律呼ばわりしていて、今も、もちろん変わりません。
まるで、岸信介氏のされた仕事に「売り家」と唐様で書くような所業を、なぜ、為さったのか。凡人である僕には、全く理解できません。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則