あまりにも前近代的な、我が国の選挙の情景 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 小学生の頃、今思えば、衆議院議員総選挙があり、学校で授業を受けているときに、「選挙カーが、幾度となく、学校の周りを、ひたすら候補者の名前だけを連呼するウグイス嬢の声を、拡声器を使って大音量で響かせながら、行き来する」ということがありました。
しつこい程、「松本、松本、松本十郎でございます」と繰り返すものだから、松本十郎氏と、苗字が同じであるという点以外、何の関係もない、小学生の松本君が、みんなから、「松本、松本って、うるさいよ、何とかしろよ、まつもとぉー」と言われ、からかわれる始末。

 公職選挙法に基づく行為を、ありのままに描写するために、公職の候補者であった故・松本十郎氏の名前を伏せずに、書き記しました。因みに、松本十郎氏は、我が自民党所属の衆議院議員であった人で、民主党を離党し、現在、無所属の松本剛明衆議院議員の実父である人物です。

 選挙カー。拡声器による公職の候補者の名前の連呼。そして、斜め上を見上げたり、笑顔でカメラを見つめる公職の候補者の顔と名前が大写しになった、どれも似たり寄ったりの選挙運動用ポスターが何枚も掲示される、ポスター掲示場。
1976年の12月に行われた第34回衆議院議員総選挙から、40年近い歳月が過ぎておりますが、今、書き記しました選挙の情景は、40年前の情景であり、かつ、現在の情景でもあります。

 共和党はドナルド・トランプ氏、民主党はヒラリー・クリントン氏が優勢の、米国二大政党による大統領候補指名争い。個人によるPAC(Political Action Committee、政治行動委員会)への政治献金の上限額が撤廃され、超富裕層の政治的影響力の拡大を懸念する声も、もちろんあります。しかし、米国の大統領候補指名争いでは、選挙カーに乗って拡声器で名前を連呼したり、にっこりと笑顔でカメラを見つめる候補者のポスターを、町中の至る所に貼り付けたりはせず、ディベート(debate)の国らしく、演説会と討論会で、指名争いを繰り広げています。

 「それに比べ、わが国では」と書き進めたいところですが、長くなり過ぎましたので、今回は、ここまでとさせてください。横須賀に戻り、まだ、疲れが取れません。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則