テレビ受像機を所有することをやめてから、かれこれ4年以上の月日が経つので、テレビのことを語る資格が、僕にはないかもしれないのですが、テレビ上の広告、いわゆるコマーシャルの中には、やたらとほんわかした映像と音声のみで構成され、その広告主の本業は、一体全体、何なのか、全く想像ができない類いのコマーシャルが、今でも、あるのでしょうか。
お恥ずかしい話、子供の頃は、能天気なもので、「テレビの広告って、すごくお金がかかるらしいのに、こんな訳の分からないコマーシャルを流すのは、お金の無駄遣いじゃないのか」と、本気で、不思議に思っていたものです。
幸か不幸か、今では、無駄にと申しましょうか、もしくは、それなりにと申しましょうか、歳を重ねましたので、「実は、本業において、全然ほんわかしていない所業が多々あり、そのことを、ご本人もその周りの方々も気付いていて、その気付きを中和させるために、わざわざ大枚をはたいて、ほんわかしたコマーシャルをがんがん流しているのであって、お金の無駄遣いをしている訳では決してない」ことは、充分に心得ている積もりです。
「そんなことを書き連ねて、政治と何か関係あるのか」と、いぶかる方もおられるかもしれません。全都道府県ではないのですが、ある規則性に基づく一部の都道府県では、参議院議員の任期満了日(直近の任期満了日は、本年の7月25日)の1年前の日を過ぎる頃から、町中に、特に住宅街において、やたらとほんわかしたポスターが、至る所に貼られています。僕は、"ど"の付く近眼で、矯正視力も0.7前後なので、細かい字は全然読めないのですが、笑顔の人物が一人、大写しに写されていて、ほんとにほんわかしたポスターです。
なぜ、こんなポスターが、多くの都道府県において、一斉に貼られるのでしょう。日本は不思議な国です。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則