人類の社会は、善人だけで構成されている訳ではない | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 私たちが住んでいます地球の陸地は、南極地域を除き、実質的に、いずれかの「相互に国として承認された政体」によって統治されています南極条約4条各項)。もちろん、「日本、米国、フランスなどが、国として承認していない朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮を、他の国々が承認している」ということもありますし、日本とロシアのように、「相互に国家として承認し国交があっても、統治権が及ぶ範囲に関する主張が異なる」ということもあります。

 南極地域以外の場所で、ならず者が非行を行っていれば、まずは、その国の警察が対応し、警察の人員、装備で対応できない場合は、その国の軍隊が対応する。このことに異議を唱える人は、あまりおられないのではないでしょうか。

 実質的に一党独裁であるバッシャール・アル・アサド政権が長く続くシリアを、日本は、国家として承認していて国交があり、今のところ、国交を断絶していません。2012(平成24)年3月21日に、在シリア日本国大使館を、シリアの治安状況の悪化を理由に一時閉館し、隣国ヨルダンにある在ヨルダン日本国大使館内で、その業務を継続しているとは言え、シリアにて拉致されたと思われる邦人を救出しようというときに、なぜ、現地対策本部をシリアに置かなかったのか。なぜ、シリアの地に、日章旗国旗及び国歌に関する法律1条1項)を、掲げなかったのか。
また、現行法の下でも、「ヘリコプターやオスプレイの発艦、着艦が可能な海上自衛隊護衛艦『ひゅうが』を、インド洋の公海上で待機させる」ための命令を出すことくらいは、できたのではないか。

 人類の社会は、善人だけで構成されている訳ではありません。国民の生命と財産を、ならず者から守るために、日本は、何を準備し、どうあるべきなのか。僕は、一日本国民として、無力感でいっぱいです。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則